【GUIDE】公務員(都道府県の建築系職員)

広範囲にわたる建築・まちづくりをマネジメント

建築に関わる「技術職公務員」は、建築の専門知識を活用しながら、公共施設や公共住宅の供給、開発許可・建築確認等の許認可、都市計画や市街地の設備などのまちづくりを行なう。地方自治体の公務員には、都道府県、市町村の区別がある。仕事の主な違いは、扱う地域だが、市町村は市町村全域、都道府県は都道府県全域を見据えての仕事の進め方が求められる。最近では都道府県や市町村などの自治体の役割が大きくなっており、地方公務員への期待も大きい。

具体的な仕事内容は所属する官公庁によって違うが、大きく分けて3つ。まず、①行政の管理する建物の建設に関わる仕事。公共施設や庁舎建築、公共住宅などが代表例。設計事務所や建設業者と共にプロジェクトを進めることが多い。図面のチェックや品質・進行などの管理が中心の仕事となる。そして、②宅地開発許可・建築確認などの許認可業務。宅地造成や建築の申請について、申請書類をチェックし、宅地開発や建築行為をコントロールする。さらに、③都市計画・まちづくり。都市計画の手続きをはじめ、昨今は住民参加型まちづくり、都市全体のあるべき姿をめざす都市政策や、具体的にまちをつくる再開発・区画整理などの市街地整備に関わる仕事もある。

イラスト:高橋哲史

また、最近では民間企業のように「ベンチャー制度」を設けている官公庁もある。これは職員のアイディアを募って新たな事業につなげるもの。チャレンジして採用されると、提案者を中心に事業を進めていける可能性もある。たとえば神奈川県では、相模湾沿岸地域一帯に残る歴史的な邸宅と庭園を活かしたまちづくりを推進する「邸園文化圏再生構想」に取り組んでいる。市町村をまたがるエリアに新しいヴィジョンを示す、県ならではの仕事といえる。

地方公務員として働くためには、地方自治体ごとに実施される採用試験に合格しなければならない。自治体によって時期や試験内容は異なるが、願書の受付期間は前年の春から始まる。その前から広報やホームページなどでスケジュールや募集要項、年齢などの応募条件は確認できる。どうしても必要とされる資格はないが、一級建築士や専攻建築士などは、実務を円滑に進めるうえで、ぜひ持っていたい。入庁後、取得をめざそう。

公務員は、多様な立場の人と関わり、理想の建築・まちづくりに向けて、人と人、人と建築・まちをつなぐ役目を担っている。

  • 採用までのスケジュール

願書の受付期間=4-5月

第一次試験日(製図課題を含む)=5-6月

第一次試験合格発表=6-7月

第二次試験日(面接など)=7-8月

最終合格発表=8-9月

詳しくは各自治体のホームページで。

建築系学生のためのフリーペーパー「LUCHTA」1号(2007年7月10日発行)より
取材・文:加藤純/イラスト:高橋哲史

 

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