【GUIDE】照明デザイナー

生活環境を多彩に演出する光の操り手

照明デザイナーは、インテリアから建物の外観、またはアプローチなどの外構、さらには街路照明など街のあかりまで、幅広くライティングを手がけるスペシャリストだ。戸建て住宅、マンション、ホテル、レストランやショップなどの商業施設、オフィスや複合ビル、公共施設、橋や競技場などの大施設、と扱う建物の規模も幅広い。

間違えやすいが、照明デザインとは、照明器具をデザインするのではなく、光そのものをデザインすること。全体の照明イメージだけでなく、それぞれの場所に必要な明るさや希望する光のイメージをもとに照明計画を立て、器具やランプの種類、配置などを検討する。特別な雰囲気を醸し出すあかり、居心地のよいあかりを必要とするところこそ、照明デザイナーの活躍の場だ。

イラスト:高橋哲史

「なんだかいいな」と思える空間や風景に出会う時、そこで照明が果たしている役割は大きい。照明デザインは建築と密接に関係しながら、多くの人の心理に訴えかける。建築の分野では比較的新しい領域ではあるものの、世界的に活躍する日本人の照明デザイナーも多い。

照明は誰にとっても身近なわりには、建築設計者でもなかなか詳細を把握していないことが多い。ランプや照明器具の特性、コーディネートとその効果、間接照明を設置する壁・天井・床などの形状や光が当たる面の仕上げ材料、コスト、等々。出来上がりの様子を予想するにも、経験がモノをいう。

照明デザイナーは、通常、設計で建物のプランや形状が定まってくる時に依頼を受ける。クライアントへのプレゼンテーションや設計者・電気設備工事担当者との打合せ、そして施工現場などの場面で提案や調整を重ね、思い描く照明デザインを実現させていく。

また、関係者にイメージや仕様を伝えるために、照明の全体テーマを決め、照明器具の位置、光を当てる場所・方法や光のイメージなどを表す図を作成する。図面やスケッチで、またコンピュータのグラフィックソフトを用いて必要な情報を描き込んでいく。求められる照度を確認するには、コンピュータのシミュレーションソフトを使うこともある。

そして建築工事が始まってからは、照明と関わる細かい取り合いや建築仕上げ材料を確認する。工事内容に少しでも変更があると、照明の効果に大きな影響を与えることが多いからである。

必須の資格はないが、照明コンサルタント、照明士に加え、建築士、カラーコーディネーター、インテリアコーディネーター、インテリアプランナーなどの資格取得は、専門知識を増やすのに役立つだろう。

  • 採用までのスケジュール

照明デザインを専門に行なう事務所は、数は限られるものの都市圏を中心に存在する。著名な照明デザイナーのもとで実力をつけ、独立する人も多い。照明器具メーカーにも照明デザイン部門があり、そこで活躍するデザイナーもいる。
採用は一般的なスケジュールによる。照明デザイン事務所は少人数体制であることが多いので、採用時期については直接コンタクトをとっておいたほうがよい。

建築系学生のためのフリーペーパー「LUCHTA」4号(2008年2月26日発行)より
取材・文:加藤純/イラスト:高橋哲史

 

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