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数量やコストを的確に算出し、プロジェクトの推進を強力にサポート

建物をつくるにはたくさんの部材や労力、そしてお金がかかる。建物の規模や仕様に応じて、契約時に必要な部材の数や建設コストを算出するのが、積算・見積りの主な仕事である。この金額が出ないと、プロジェクトは動かない。積算・見積りは建築の中では比較的目立たない役割だが、多くの人を支える、やりがいのある仕事だ。

「積算」と「見積り」は同じような意味合いで使われることもあるが、建設業界では次のように分けられることが多い。積算は、設計図書などにもとづき、建物をつくるために必要な材料の種類や数量を「拾う」、つまりカウントして内訳書をつくること。見積りは、その内訳に対して項目ごとに「値入れ」をする、つまり適正な値段を付けて見積書をつくること。

イラスト:高橋哲史

施工会社のほとんどが、積算・見積りをする部門やグループをもっている。プロジェクトの規模が大きくなるほど積算する項目は多くなり、見積りの金額も大きくなる。短期間で積算と見積りを求められる場合が多いので、積算を専門に行なう会社もある。ゼネコンなどが大きな物件を手がけるときには、こうした会社と協力しながら何百枚、何千枚もの見積書を作成する。

値入れをする見積りは、会社ごとのノウハウがあるため、社内のスタッフの経験と知識を総動員して進められることが多い。建築資材や工事費の値段は、さまざまな条件や状況でリアルタイムに変動する。たとえば近年、ビルなどの主要な部材となる鋼材の価格は急速な値上がりと値下げを繰り返してきた。また、使用する量の大小、メーカーや仕入れ先との関係で卸価格は変わる。加えて、特注する部品や建材には定価がない。毎月発行される『建設物価』などの本や、材料メーカーのカタログに記載されているデータ、そして社内の見積り用データが基礎資料とはなるが、あくまで参考程度。同じプロジェクトであっても施工会社によって、さらには担当者によって、見積りの額は変わってくる。

現在、ある程度大きな建物を建てる時には「競争入札」が主流だ。これは、複数の施工会社が入札金額や工事内容を提出し、その内容から施工する会社が決められる、というもの。金額を低く設定して提出すれば、ライバル会社を押さえて受注できる可能性は大きくなるが、無理に受注して赤字とするわけにはいかない。もちろん、項目の抜けや数量違い、単価の入れ間違いはあってはならない。値入れのわずかな差で、全体では億単位の金額が変わってくることもあるのだ。積算・見積りは、とても責任の伴う業務といえる。

積算・見積りの部門には、入社時から所属する人もいれば、現場監督を経験してから携わる人も多い。専門工事会社とのやりとりも含めて、現場でものづくりの感覚を身につけていれば積算・見積りに役立つ。

建築積算士という専門の資格以外に、施工管理技士や建築士の資格をもっている人は多い。いずれにしても、コミュニケーション力と図面を読み込みコストに的確に反映する能力が求められる。

  • 採用までのスケジュール

ゼネコンや積算事務所では、一般的な採用スケジュールによって行なわれる。希望して見積り・積算部門の配属となるかどうかは会社の方針と判断による。

建築系学生のためのフリーペーパー「LUCHTA」11号より
取材・文:加藤純/イラスト:高橋哲史

 

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