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歴史的建造物の価値を見極め修復・保存して次代に引き継ぐ

歴史ある建造物には、新しいものにはない味わいや魅力がある。専門的な視点からその建物の価値を的確に見極め、傷んだ部位に手を入れて活用の方法を提案するのが、歴史的建造物の保存と修復に関わる者の役割だ。現存建物の修復・保存だけでなく、古代住居や遺跡の保存整備、石垣の修理、付随する伝統的な施設の設計、史実に照らし合わせ忠実に復元する整備、集落や景観保存計画などの仕事もある。

歴史的建造物といえば思い浮かぶのが、「文化財」だ。これは保存や活用の措置が特に必要とされる重要な建造物で、国や地方自治体が指定または登録している。文化財だけでもその内容は多岐にわたる。

イラスト:高橋哲史

文化財建造物の保存修理の流れをみてみよう。事業の計画段階で、まずは建物の構造や傷み具合を調査し、建物の実測や検査をし、現状図面や資料を作成する。その上で修理にかかる費用や期間を算出。この際、建設当時の文献や技術資料、時代が古い場合には古地図や古文書も、建物の歴史を調べる上で役立つ。修理に着工後も、解体しながら各寸法を実測し、破損の状況や仕様などを調査する。すると、建設当時の時代背景や作り手の意図、技術の変遷などがわかってくるので、それに応じて修理の方法を決めていく。国指定重要文化財建造物であれば文化庁の文化財調査官の指導を受けながら進める。文化財の所有者などを交えて補修の方針や修理後の活用などを協議。方針に応じて当初の計画を見直し、修理後の建物について詳細に設計をする。その後は、設計どおりに工事しているかを監理。新築に比べると圧倒的に不確定な要素が多いので、デスクワークよりも実際の建物に触れて考えることが重要になる。

なお日本では、まだ少ないが、近代以降の建物の修理・活用が今後いっそう求められる。耐震補強や設備の更新をはじめ、総合的に現代の技術を取り入れて、古い雰囲気を継承しながら建物を再生することになる。全体をそのまま保存するケース以外は、新たな施設の目的に応じて何をどの程度残すのかを判断する。再開発の際に設計事務所からの依頼で、アドバイザーとして参加する仕事では、事業企画に基づいて法規やコストなどを検討して提言する。

基本的に現地に赴くため、全国の案件を扱う仕事の場合には出張が多い。調査段階では、ある程度の緻密さや粘り強さが要求される。工事が始まれば、各種工事業者や研究者などとの会議を繰り返す。肉体的・精神的にタフでなければ務まらない。

主な就職先として、文化財建造物の保存・修理に関わりたいなら、文化財建造物の多い京都府・奈良県・滋賀県では教育委員会の文化財保護課で専門職員を採用しているほか、保存修理の設計監理を専門に行なう公益財団法人や民間企業もある。文化財建造物以外なら、古民家再生などを手がける比較的小規模な事務所もある。建築士の資格は必須ではないが、建築全般の理解やコミュニケーションの内容を深めるのに役立つ。自治体からの依頼が多いため、建設コンサルタントとしての役割も大きく、技術士(建設部門)を取得する人もいる。

  • 採用までのスケジュール

地方自治体では地方公務員採用試験を受ける。
財団法人や民間の企業では、一般的な採用スケジュールによる。

建築系学生のためのフリーペーパー「LUCHTA」15号より
取材・文:加藤純/イラスト:高橋哲史

 

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  • ランドスケープ・アーキテクト
  • 歴史的建造物の保存修理設計技術者
  • 建築音響設計者
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  • コストマネジャー(積算・見積り)
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