【GUIDE】ランドスケープ・アーキテクト

自然と芸術・建物との橋渡しをする

ランドスケープ・アーキテクトは、一般には公園や広場、街路、またリゾートやテーマパーク、公共施設や商業施設、ビルまわりのスペースなど、建物以外の様々な外部の空間をデザインし監修する人を指す。生物の多様性を具体化する植生の保全や、自然環境の復元などの調査や計画、設計なども行なう。 ある施設が建てられる時、建物の周囲に広場や緑地をつくり、壁面緑化や屋上緑化を行なうことがある。ランドスケープ・アーキテクトは建築家と協働しながら、まず敷地の持つ自然の資質を見極めた上で、建物の位置が適切かどうかを確かめる。その上で、建物へのアプローチのとり方と共に植物や水や土などの配置、舗装の仕方や材料はどのようにするかを検討する。特に植物は生き物であるだけに、根付かせて自立させるためには生態や植物の生理についての深い知識と経験が求められる。そして、無数にある品種の中から、建物のコンセプトや地域性に合わせた植物を、科学・芸術・コスト面に見合うように組み合わせて選定。建築家や施工者とは綿密に意見交換する必要があり、その際には植栽の種類や大きさ、配色などのイラストやデータを描き込んだ平面図や断面図を活用する。

イラスト:高橋哲史

ランドスケープは建築物とセットでとらえられることが多いが、もともと「風景」を意味する言葉。ランドスケープ・アーキテクトは、たとえ敷地の建物まわりだけを計画する時でも、一帯の風景や自然環境を含めた広い視野からその空間をとらえて考えている。また、時間の経過を考えるのもランドスケープの計画の特徴。植物の生長に合わせて、時間と共に豊かになるように計画する。

求められる資質は、植物をはじめ自然環境への愛情に溢れていること。普段から専門情報に通じておくほか、各地の生態系を実際に調査する際には、山野の奥深くに分け入ることもあるので、体力も必要だ。資格は、RLA(登録ランドスケープアーキテクト)のほか、建設や環境部門の技術士、国家資格である造園施工管理技士(1級・2級)など、造園コンサルタントを業とする人のための資格もある。建設コンサルティング業務の管理技術者・照査技術者になるためのRCCM(シビルコンサルティングマネージャ)は公共事業の仕事をする際に有利になる。

主な活躍の場としては、専業のランドスケープ設計事務所をはじめ、ランドスケープの部署を持つ大手ゼネコンや大手設計事務所、建築設計事務所など。官公庁の都市整備課や公園緑地課も含まれる。

  • 採用までのスケジュール

官公庁は公務員試験により、民間企業は一般的な採用スケジュールによる。

建築系学生のためのフリーペーパー「LUCHTA」16号(2011年1月31日発行)より
取材・文:加藤純/イラスト:高橋哲史

 

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