「建築旅行(卒業旅行)について」

──今回、審査員として、ルフタチャレンジ 「フォトコンテスト」に関わることになりました。一言メッセージのような言葉を残しておこうと思います。

建築を志すものにとって、建築を見て回る旅行は当然のことでり、特別なことでもあります。
自分の狭い価値観を広げる貴重な時間だし、忙しく、辛い課題が終わって、自分を解放できる素晴らしい時間になるはずです。

私も、大学2年のヨーロッパ(フランス-ドイツ-ベルギー-オランダ)2週間の一人旅を皮切りに、3年でフランス-スペイン-南イタリア。4年でイタリア-ギリシャ-トルコ、M1でインドシッキム王国1か月 M2はイギリス-フランス-スペイン-モロッコとユーレイルパスとトーマスクック時刻表をもって、バックパッカー(貧乏旅行)をしていて、この経験は今も宝になっています。

当時は、インターネットはもちろん、携帯電話も持ってない時代。東京大学香山先生の書籍「ヨーロッパ建築案内」のコピーだけが、唯一の建築情報でしたから、今考えるとずいぶん不効率だったし、知識が無さ過ぎて見逃したことも多々ありました。

でも、情報が無かったからこそ、人に声をかけて道を聞いたし、目印を見落とさないよう注意深く歩いたのも事実。
卒業旅行で、スマホの地図アプリの画面と、目的地の印象しかないとなると、それは残念なことですよね。ヨーロッパは地域地区、道ごとの雰囲気も違う町もあるし、群としての魅力を味わってほしいと思います。アメリカも、アジアも、日本国内もきっと同じです。

当時、写真はネガかポジのフィルム。36枚で500円以上しましたし、現像は1枚20円~30円くらいかかった気がします。100枚写真を取ったら、5000円くらい使うわけです。しかも、露出があってなかったり、ピントが合ってなかったりしても、現像するまでわからないから、写真を撮るまでの時間はしっかり構図を気にして、手振れしないように脇を固める。

宿は1泊500円とか1000円の貧乏旅行だったので、当然、写真代も無い。ヨーロッパ建築案内の50文字ほどの文章から、この建物の一番のポイントを探し、1つの建物を写真1枚だけと自分にルールを決め、その1枚の構図を全力で探すという旅行でした。

いや、ホントに今考えるともったいない…是非、皆さんは、バシバシ写真を撮ってください!でも、この建物の魅力を1つだけ伝えるには、写真1枚で伝えるには…と考えると、きっと今までと違う建築と自分との関係性が生まれると思います。

長々書きましたが、こうした経験があるので、私の審査基準としては、その建物の持つ良さを「自分」で発見できているかどうか?そこが重要と考えます。

この建物のこんなところが面白い!こんな素晴らしいことがあった!みんなは知らないけど、私はここがいいと思う!そんな新しい建築の発見を是非、卒業旅行で見つけてください。

 

わたしの旅の追憶

1.イタリア マテーラ 洞窟住居 1996撮影(大学卒業)

2.フランス パリ エクトール・ギマール カステル・ベランジェ 1996撮影

3.イタリア トスカーナ州 サンジミニアーノ で飲んだキャンティワイン ラベルが塔の街 1996撮影

4.フランス リヨン郊外 ラ・トゥーレット修道院 1997撮影

5.スペイン へレス・デ・ラ・フロンテーラ近郊の街(忘れた)の復活祭 1997撮影

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