【8/6まで @東京】「ドットアーキテクツ展 POLITICS OF LIVING ⽣きるための⼒学」|TOTOギャラリー・間

展覧会について
TOTOギャラリー・間では、「ドットアーキテクツ展 POLITICS OF LIVING ⽣きるための⼒学」を開催します。
ドットアーキテクツの特徴は、建築の計画/設計/施工/使用を同じ地平でとらえ直し、そのすべての過程に取り組むことにあります。⼿に届く範囲にある材料や人⼿、知己や地縁までも資源としてその⼒を総動員することで、すべての人が⾃ら使う建築の創造に能動的に関わる可能性をテーマにしています。

分業制による従来の建築の枠組みを⾶び越えるドットアーキテクツの一⾒型破りともいえる活動に共感して、地域の人や多彩な仲間が⾃然に集まり、仕事と遊びの両方を楽しみながら、みなが⽣き⽣きと暮らす場が今、各地で⽣まれています。たとえば⼩⾖島では、瀬⼾内国際芸術祭で「馬木キャンプ」(2013 年)を建設して以来、アートを通じた地域の教育普及の場所づくりに10 年にわたり取り組んでいます。本拠地の⼤阪・北加賀屋の「千鳥文化」(2017 年〜)では、設計だけでなく運営にも携わっています。こうした具体的な場の創出に、現実に柔軟に対応しながら継続的に関わり続けていくことで、そこにふさわしい場所が徐々に⽴ち上っていきます。それら彼らが「⼩さな⾃治空間」と呼ぶものを⽣み出す⼒学(POLITICS OF LIVING)こそが、現状を突破し社会を変革する鍵だとしています。

本展では、建築の可能性を広げる彼らの活動の全貌を紹介するとともに、中庭にパターゴルフ場を出現させ、その場でパターを⼿作りして一緒に楽しめる、余暇を⾃らつくり楽しむ体験を⽣み出します。本展覧会を通して、ドットアーキテクツの「⽣きるための⼒学」の意味を⾒いだしていただければ幸いです。

TOTOギャラリー・間

展覧会コンセプト

POLITICS OF LIVING 生きるための力学

私たちにとって「POLITICS OF LIVING」とは、小さな自治空間を生み出す力学のことをいいます。「LIVING」とは、直接触れられる相互関係の中で日々経験することを指しており、「POLITICS」とは、間接民主制による中央集権的な仕組みではなく、もっともっと小さく局所的な自治空間を意志と妥協をもって創造する力であり、情報や統計や未来予測によって平準化されていく生から、さまざまな特異性に満ちた個々の「生」を、私たち自身で自律的に生み出す力です。

私たちの地べたの暮らしから、ともに生きる術を手に入れよう。私たちの日々の実感を伴った具体性を頼りに考え、手を動かしてつくり出そう。どんな小さなものでも、場所でも、ほんの一部でも、それは私たちの暮らしと繋がっている。建築は、皆に開かれています。
ドットアーキテクツは、大阪市南部の工場地帯に建つ廃工場跡に拠点を構え、さまざまな出会いで得られた顔の見える多様な仲間たちや身近な資源とともに、この「生きるための力学」を携えて、建築の設計や施工はもちろん、出来事、映画、舞台、パフォーマンス、余暇、バーの運営、畑仕事など多岐にわたる活動を通じて、誰もが分け隔てなく参加できる場づくりを行なっています。ドットアーキテクツの活動を通して、私たちの暮らしや楽しみを貨幣で交換可能なサービスだけに委ねず、資本が生み出す洗練された創造物に慣れた身体を脇に置いて、「この程度なら自分たちでできるじゃないか。とりあえずいっとこ!」と自信をつけてもらいたい。そんな場のひとつを、今回の展覧会でも実現したいと考えています。

ドットアーキテクツ

©HIDEAKI HAMADA

馬木キャンプ
香川県 | 2013 自主施工による地域の交流施設。ドットアーキテクツと住民 総出で一日で制作した映画の、一夜限りの上映会。

©Yuma Harada

No. 07
大阪府 | 2018 築110年の長屋改修と路地農園。 日常生活から生まれる小さな共有スペース。

©Shinsaku Arakawa

researchlight 「河童よ、ふたたび」
京都府 | 2016 屋外での身体の振る舞いを引き出す期間限定の公園。 子どもも大人も自分の使い方を発見していく。

©アートエリアB1/photo by Ryo Yoshimi

GDP(Gonzo dot Party)
大阪府 | 2020 アーティストとの協働による映画制作とパフォーマンス。

©Yuma Harada

千鳥文化
大阪府 | 2017 旧文化住宅を改修した地域交流拠点。 食堂、バー、ギャラリーなどがあり、さまざまな活動が行われる。

出展者プロフィール

ドットアーキテクツ / dot architects

家成俊勝、赤代武志により2004年共同設⽴。⼤阪・北加賀屋にて、分野にとらわれない人びとや組織が集まる「もうひとつの社会を実践するための協働スタジオ」コーポ北加賀屋を拠点に活動。設計、施工のプロセスにおいて専門家・非専門家に関わらずさまざまな人との協働を実践している。設計だけに留まらず、現場施工、リサーチプロジェクト、アートプロジェクトなどさまざまな企画にも関わる。

写真左より 勝部氏、土井氏、宮地氏、池田氏、赤代氏、家成氏

写真左より 勝部氏、土井氏、宮地氏、池田氏、赤代氏、家成氏

家成 俊勝(いえなり としかつ)
1974年兵庫県生まれ。関西大学法学部法律学科卒。大阪工業技術専門学校夜間部卒。専門学校在学中より設計活動を開始。京都芸術大学空間演出デザイン学科教授。

赤代 武志(しゃくしろ たけし)
1974年兵庫県生まれ。神戸芸術工科大学芸術工学部環境デザイン学科卒。北村陸夫+ズーム計画工房、宮本佳明建築設計事務所を経て設計活動を開始。大阪工業技術専門学校特任教員、京都芸術大学環境デザイン学科 非常勤講師、大阪市立大学生活科学部居住環境学科 非常勤講師。

土井 亘(どい わたる)
1987年神奈川県生まれ。慶応義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。studio mumbai architectsを経てdot architects参画。

池田 藍(いけだ あい)
1979年奈良県生まれ。奈良女子大学生活環境学部卒。大阪工業技術専門学校夜間部卒。イーストロンドン大学卒。ICU architects office、アーバンフォルム建築研究所を経て独立後、dot architects参画。

宮地 敬⼦(みやち けいこ)
1982年兵庫県生まれ。京都造形芸術大学空間演出デザイン学科卒。京都造形芸術大学勤務を経てフリーランスで活動後、dot architects参画。

勝部 涼亮(かつべ りょうすけ)
1997年滋賀県生まれ。横浜国立大学都市科学部建築学科卒業後、dot architects参画。

ドットアーキテクツ ウェブサイト

展覧会 会期
展覧会名(日)ドットアーキテクツ展 POLITICS OF LIVING ⽣きるための⼒学
展覧会名(英)dot architects: POLITICS OF LIVING

会期2023年5月18日(木)~8月6日(日)
開館時間11:00~18:00
休館日月曜・祝日
入場料無料

会場TOTOギャラリー・間
〒107-0062 東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F
東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口徒歩1分
TEL=03-3402-1010 URL=https://jp.toto.com/gallerma

関連書籍

『(仮)POLITICS OF LIVING』
発行年月― 2023年5月(予定)
発行― TOTO出版(TOTO株式会社)
TEL:03-3497-1010 https://jp.toto.com/publishing
概要―建築設計、施工、運営、リサーチ、アートなど多岐にわたるドットアーキテクツの活動の中から、竣工後も関わり続ける6作品を収録。

展覧会 会場

TOTOギャラリー・間
(東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F) ⇒アクセス

TEL:03-3402-1010
URL:https://jp.toto.com/gallerma

入場料

無料

(終了)講演会

ドットアーキテクツ講演会「POLITICS OF LIVING 生きるための力学」

日時:2023年6月2日(金)17:30開場、18:30開演、20:00終演(予定)

会場:イイノホール(東京都千代田区内幸町2-1-1飯野ビルディング4F)

定員:500名(予定)/参加無料

参加⽅法:事前申込制:申込期間内にTOTOギャラリー・間ウェブサイトよりお申込みください。

お申し込み期間:2023年4月7日(金)~5月16日(火)

応募者多数の場合、抽選の上、5月26日(金)までに結果をご連絡いたします。注意事項※当講演会では未就学のお子様連れのお申し込みはご遠慮いただいております。

申込はこちら
主催
TOTOギャラリー・間
TOTOは、建築の専門ギャラリー「TOTOギャラリー・間(ま)」と建築系書籍の出版をおこなう「TOTO出版」を運営しています。 これらは、建築文化の醸成・育成を通して社会に貢献することを目的として創設され、30余年にわたり活動しています。 「TOTOギャラリー・間」と「TOTO出版」の活動目的は、建築家がもつ多様な価値観を空間で表現する「展覧会」、自身の言葉で伝える「講演会」、そしてかれらの理論と思想を伝える「出版」によって、建築家のメッセージとして発信することです。
企画

TOTOギャラリー・間運営委員会
(特別顧問=安藤忠雄、委員=千葉 学/塚本由晴/セン・クアン/田根 剛)

後援

一般社団法人 東京建築士会
一般社団法人 東京都建築士事務所協会
公益社団法人 日本建築家協会関東甲信越支部
一般社団法人 日本建築学会関東支部

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