• 旅の追憶
  • 建築の良さは実際に見て触れて、内部に入って光や空気感を感じてこそわかるもの。 このコーナーでは、建築家の方々が影響や刺激を受けた建築を、旅の体験談を織り交ぜながら紹介します。(JIA関東甲信越×LUCHTAコラボ企画)

[連載]「旅の追憶」建築家がすすめる見に行ってほしい建築03|市村宏文

大学1年生の西洋建築の講義、ロマネスク・ゴシック・ルネッサンス・バロック・ロココの様式建築が続いていましたが、当時は全く興味がなかったために少しウンザリしていたところ、19世紀末に突如現れたモダニズム。その中で、それまでは絶対に注目されない分類の建物で「工場」が紹介されていました。それまでに知っている工場と言えば無機質な建物で、機能優先でした。当時の最新の材料を使い、細部にまで徹底的にデザインされている建物にすっかり魅せられてしまいました。それが「AEGタービン工場」との出会いで、建築家ペーター・ベーレンス、その後のモダニズム建築やバウハウス、そして「首都ベルリン」を知るきっかけとなりました。

[連載]「旅の追憶」建築家がすすめる見に行ってほしい建築 02|関本竜太...

北欧フィンランドが生んだ近代建築の巨匠アルヴァ・アールトの建築について、皆さんはどう思いますか?よく分からないという答えが返ってきたとしたら、私はその人に強く共感します。アールトはミステリーなのです。 私はフィンランドに留学をして、帰国後に独立をしました。今ではアールトは私にとって目指すべき建築の師のような存在ですが、正直に言うと、学生時代は北欧はおろかアールトにはまったく興味がありませんでした。 大学の近代建築史の授業で、教科書に載っていたアールト設計によるパイミオ・サナトリウムのモノクロ写真を見たときは「団地みたい」だと正直思いました。同じく近代建築の巨匠と言われるコルビュジエやライト、ミースなどと比べても、どことなく垢抜けない印象があったのです。

[連載]「旅の追憶」建築家がすすめる見に行ってほしい建築 01|中澤克秀

この時が私の初めての海外旅行で、建築学生対象にヨーロッパを三週間廻る建築漬けのツアーでした。他にもアテネのパルテノン神殿、ローマのパンテオン、フィレンツェやヴェネチアやパリの街並み、コルビジェのロンシャンの礼拝堂等、人生の中でカルチャーショックを受けた最初で最大の出来事でした。