
【11/11より全4回開催 @ 渋谷】伊東豊雄×中川エリカ×堀越優希×山田紗子 企画・モデレーター:真壁智治『時代をつなぐ対論 君たちは建築をどう生きるのか モダニズム、1970年代以降、東京』|「建築文庫」特別企画
【11/11より全4回開催 @ 渋谷】伊東豊雄×中川エリカ×堀越優希×山田紗子 企画・モデレーター:真壁智治『時代をつなぐ対論 君たちは建築をどう生きるのか モダニズム、1970年代以降、東京』|「建築文庫」特別企画
時代をつなぐ対論 君たちは建築をどう生きるのか
モダニズム、1970年代以降、東京
伊東豊雄×中川エリカ×堀越優希×山田紗子
企画・モデレーター:真壁智治
2025年11月11日より全4回開催
「近代」と葛藤してきた建築家・伊東豊雄と次世代の建築家との都市、建築をめぐる対論。モダニズム、そして1970年代以降の東京を起点に、私たちはどのように建築に向かおうとしているのか、その意識を探る全4回。
[企画趣旨]
「漂うモダニズム」(槇文彦、2012)の指摘から約10年。建築は近代の底が抜けた時代からの再生へと向かいだした眺めが多少あるものの、そこにはますます巨大化する「資本」の欲望とSNSに身を預け顔が見えなくなる「大衆」とが無言で交錯する建築と都市の実態が避けがたく拡張している。
建築の再生を担う次世代の若い建築家たちはこの事態からどのように建築に向かおうとしているのか。その意識を探りたい。
そこで、「近代」と葛藤してきた建築家・伊東豊雄氏と次世代の若い建築家との都市・建築および日常生活をめぐる異例なディベートを試みる。
いわば、エイジ・ギャップ対論としてのディベートを通して、若手建築家たちがこれから立ち向かおうとしている建築への姿勢がよりうかがえるかもしれない。
伊東氏にとっては、自分たちの建築・都市への取り組みの総括と若手建築家たちのそれとの所在を同時的に対照しながら考察する場ともなろう。
今必要なのは、世代をまたがって自分たちが向き合う建築・都市像を伝え、預け、そして託すことであり、そこに時代を、建築をつなぐ対論の主眼があります。(真壁智治)
イベント詳細
| イベント名 | 「建築文庫」特別企画 時代をつなぐ対論 君たちは建築をどう生きるのか モダニズム、1970年代以降、東京 |
|---|---|
| 日程 |
Section 1 私は建築とどう向き合ってきたのか
Section 2 私たちの建築への問題意識2025年12月16日(火)18:30~21:00 Section 3 これからの建築が担うべき課題2026年1月20日(火)18:30~21:00 Section 4 わたしたちは建築をどう生きるのか2026年2月26日(木)18:30~21:00 |
| 会場 | 伊東建築塾 恵比寿スタジオ (東京都渋谷区恵比寿3-32-12 JR「恵比寿駅」東口より徒歩13分) |
| 定員 | 各回40名 *事前申込制(先着順) |
| 参加費 | 無料 |
| 申込先 | *事前申込制(先着順) |
登壇者プロフィール

伊東豊雄 Toyo Ito/建築家
1941年生まれ。1965年、東京大学工学部建築学科卒業。菊竹清訓建築設計事務所を経て、1971年、アーバンロボット(URBOT)設立。1979年伊東豊雄建築設計事務所に改称。日本建築学会賞(作品賞、大賞)、ヴェネツィア・ビエンナーレ金獅子賞、王立英国建築家協会(RIBA)ロイヤルゴールドメダル、プリツカー建築賞など受賞。

真壁智治 Tomoharu Makabe/プロジェクトプランナー
1943年生まれ。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了。M. T. VISIONS主宰。主な著書として、『アーバン・フロッタージュ』(住まいの図書館出版)、『カワイイパラダイムデザイン研究』(平凡社)、『ザ・カワイイヴィジョン』(鹿島出版会)、『応答漂うモダニズム』(共著、左右社)、『臨場 渋谷再開発工事現場』(平凡社)などがある。

中川エリカ Erika Nakagawa/建築家
1983年、東京都出身。2005年、横浜国立大学卒業。2007年、東京藝術大学大学院修了。2007-2014年、オンデザイン勤務。2014年、中川エリカ建築設計事務所設立。2025年、慶應義塾大学専任講師。住宅建築賞2017金賞、第34回吉岡賞など受賞。
対論に向けて
私が大学に入学した2001年は、せんだいメディアテークが発表された年です。卒業設計に取り組んだ2004年には金沢21世紀美術館が発表され、当時の卒業設計の模型はみんな真っ白。都市の真ん中で大きなプロジェクトをやることが卒業設計とされていた時代で、私の卒業設計の敷地は渋谷です。渋谷から徒歩圏で生まれ育った私にとって、渋谷は大都市でありながら、原風景そのもの、雑多さへの興味の源でもありました。
時は流れて、伊東さんに初めてお会いしたのは2018年5月のこと。とある卒業設計の講評会だったと思います。その時の卒業設計の模型は、真っ白なものはほぼなく、スケールも違っていて、私より若い世代が表現したいもの、注目しているものは、2004年当時ともずいぶん変わりました。
伊東さんも、私も、私よりも若い世代も、みんな近代に疑問を持ち、それぞれの方法で批判をしているように思います。何が共通していて、何が違うのか。そして、新しい時代の美しさにおいて、伊東さんと私では何が違うのか。建築創造において、今一番おもしろいと思っていることは何なのか。4回もお話しする機会があるので、思想の源泉から深掘りすることを楽しみにしています。
(中川エリカ)

堀越優希 Yuki Horikoshi/建築家
1985年、東京都生まれ。東京藝術大学美術学部建築科卒業。リヒテンシュタイン国立大学後、東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了。石上純也建築設計事務所、山本堀アーキテクツ勤務後、YHAD設立。現在、東京藝術大学美術学部建築科助教。
対論に向けて
2006年、私が大学2年生の頃「伊東豊雄 建築|新しいリアル」という展示をみて、建築を通してひろがる想像力の射程に衝撃をうけた。建築の展示でありながら物質的な迫力に満ちていて、建築には本当にすごいことができるのだと、めまいを起こすような感覚になったことを覚えている。「伊東豊雄の挑戦1971-1986」という一昨年の展示では、国外にアーカイブされる前の手描き図面やスケッチを手に取りつぶさに見ることができた。一軒の住宅に込められてた情熱に感銘をうけ、壮大な挑戦はこのようなところから始まっているのだと、自分自身に重ねて奮起した。伊東さんの建築には時代を超えた切実な実感がこめられている。この対論を通じ、あの展示以降私自身が思い描きためてきた「リアル」の射程を見極めたい。
(堀越優希)

山田紗子 Suzuko Yamada/建築家
1984年、東京都生まれ。大学在学時にランドスケープデザインを学び、藤本壮介建築設計事務所で設計スタッフとして勤務の後、東京芸術大学大学院に進学、個人の設計活動を始める。主な受賞に、第3回日本建築設計学会賞大賞、第36回吉岡賞、Under 35 Architects exhibition 2020 Gold Medal、第3回小嶋一浩賞など。
対論に向けて
東京の郊外で育ち、週末は度々母に手を引かれてきらきらと眩しい東京の街を歩いた。大人になってからは都内と呼ばれる場所で生活し、いつの間にか東京という総体に飲み込まれている。東京には否定できない愛着と憧れがある。思えばこの複雑な立体空間は、自分を建築設計へと向かわせた一番の原動力なのかもしれない。それでも毎晩、銀座線でトンネルを抜けて渋谷駅に到着するその車窓に街の断面が現れる度、全く知らない世界へ投げ込まれたような驚きに包まれ、東京が遥か遠い存在に感じられる。そんな東京について伊東さんとお話ができる。70年代から東京で建築創造を始め、時代の概念を形として描き続けてきた伊東さんが東京、そして近代について語ること、おそらく示されるであろう強い疑義に自分自身がどのように反応できるのか。楽しみでありながら、崖の淵に立たされたような緊張感を持っている。
(山田紗子)


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