【特別企画】(建築家編 追加)審査員として迎えた建築の第一線で活躍する専門家たちへの特別インタビュー『第2回『建築資料研究社 全国建築学生チャレンジコンペ』【3/15 応募締切!】|主催:株式会社 建築資料研究社/日建学院
このコンペには、唯一の評価軸はありません。審査員として参加する建築家、編集長たちが語る、多様な視点と価値観。時代の空気を掬い取る瞬間、言語とは違う建築のパワー、身体で感じた建築の自由さ、100年前の建築が今も魅力的である理由―それぞれが注目する要素は異なります。「50年先へつなぐ、コトバとカタチ」のもと、学生の提案とどう向き合うのか。審査員の思いを特別インタビューでお届けします。
- ■ 審査員へのインタビュー内容
- 建築家
- | 原田真宏 審査員
- | 中川エリカ 審査員
- | 本多健 審査員
- 雑誌編集長
- | 戸谷知里 編集長
- | 澤田忍 編集長
- | 渡辺未央 編集長
- ■ 【プレゼント】 第一回 公式記録誌を抽選で200名様に
- ■ 【3/15 応募締切!】第2回『建築資料研究社 全国建築学生チャレンジコンペ』情報はこちらから
- ■ テーマ:50年先へつなぐ、コトバとカタチ
- ■ 過去の開催状況
- ■ アーカイブ動画:【審査員が唸る】"和"の概念を拡張する学生デザイン:215作品から選ばれた傑作の舞台|公開審査『まだ名もない和の表現』|第1回 建築資料研究社 全国建築学生チャレンジコンペ
- ■ アーカイブブック:全国建築学生チャレンジコンペ アーカイブブック2025 まだ名もない和の表現
■ 審査員へのインタビュー内容
- 「50年先へつなぐ、コトバとカタチ」をテーマにした本コンペにおいて、特に注目している点や、重要視している要素は何ですか?
- 50年先にも価値を持ち続ける建築(カタチ)には、どんな「要素」が宿っていると感じますか?
- [建築家]ご自身がこれまでに手掛けた、もしくは感銘を受けた、今回のコンペのテーマに関連した表現を持つ作品はありますか?
- [編集長]今回のテーマに関連して、学生に特に参考にしてほしい号や資料はありますか? 編集長・審査員として、注目してほしいポイントがあれば教えてください。
- 審査員として学生に期待すること、伝えたいことはありますか。
建築家
| 原田真宏 審査員
1.「50年先へつなぐ、コトバとカタチ」をテーマにした本コンペにおいて、特に注目している点や、重要視している要素は何ですか?
カタチもコトバも生まれる瞬間が面白いと思っています。
モヤモヤと私たちの周囲に漂っている時代の気配のようなものがあって、それをコトバとして、あるいはカタチとして掬い取ることで、皆が「ああそうだよね」と、理解し共有できるようになる。
その瞬間を境にして、不可視だったものが操作可能な対象へと変わるわけです。
何か皆が感じている、ちょっと気持ち悪かったり、あるいは、ほんのり好ましく思っていたりするような事柄たちに対して、コトバやカタチにすることで、ポンッと膝を打ちたくなるような明快な理解が生まれる。そんな提案を期待したいと思います。
2.50年先にも価値を持ち続ける建築(カタチ)には、どんな「要素」が宿っていると感じますか?
今回の文脈で言うと「記念碑性」でしょうか。
その建築(カタチ)が現れたことで、ある時代のテーマ(コトバ)がセットされたような時、それ以降ある一定の時代、皆が共通する事柄について思考し試行していくことになります。
その時、その作品は記念碑となるのでしょう。
言い換えれば、「時代を画する建築」というものです。
3.(建築家)ご自身がこれまでに手掛けた、もしくは感銘を受けた、今回のコンペのテーマに関連した表現を持つ作品はありますか?
そうですね。一つの作品と連動しているわけではありませんが、私の作品全般を貫通するテーマ(コトバ)としては「質の対話」という短いテキストがあります。
建築を形而上のレベルで完結させてしまうのではなく、形而下のフィジカルな世界との応答行為であると定義した、私の意思の表明、大袈裟に言えば作家性の宣言文のようなものです。
もっと個別なカタチとコトバの対応で言えば、「道の駅ましこ」で定めた「風景で作り、風景を作る」でしょうか。建築を構成する「形・質」の両方をその土地の風景から見出したなら、出来上がった建築はその土地の風景を更に高め皆に分かりやすくするようになるとし、そんな建築をつくろうと、プロジェクトのテーマをセットしたものになります。
4.審査員として学生に期待すること、伝えたいことはありますか。
コトバとカタチを時代の空気の中から掬い上げる、と、先ほど私は言ったわけですが、掬い上げるのは皆さん自身です。
自分がよくよく世界を観察して、解釈して、コトバとカタチに定着することを試みてください。それは私の場合と同じように、自身の理想やスタンスの表明であり、それはつまり、あなたの作家性の種を見つけることにつながるのでしょう。皆さんだからできる新鮮で共感を呼ぶ提案を期待しています。
審査員紹介

原田真宏(はらだ・まさひろ)
建築家 / MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 主宰
1973年 静岡県生まれ。1997年 芝浦工業大学大学院建設工学専攻修了。1997-2000年 隈研吾建築都市設計事務所。2001-2002年 文化庁芸術家海外派遣研修制度(J.A.M.LAPENA & ELIAS TORRES Architects)。2003年 磯崎新アトリエ。2004年 原田麻魚と共に MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 設立。2008年 芝浦工業大学 准教授。2016年- 芝浦工業大学 教授。代表作として〈XXXX〉、〈m3/Kg〉、〈Tree house〉、〈海辺の家〉、〈Seto〉、〈知立アフタースクール〉、〈道の駅ましこ〉、〈Entô〉、〈STROOG 社屋〉などがある。主な受賞歴に SD Review 鹿島賞(2003)、AR Awards(2008, 2009, 2011, 2015)、LEAF AWARDS(2011, 2015)、JIA 新人賞(2015)、AACA 賞(2015, 2021, 2022) 芦原義信賞(2015)、日本建築学会作品選奨(2017, 2018)、JIA 日本建築大賞(2018)、BCS 賞(2018, 2021)、日本建築学会賞(作品)(2020)、 AACA 賞 優秀賞(2021)、JIA 優秀建築選(2022)、第14回 JIA 中国建築大賞 2022 大賞(2023)、JIA 優秀建築賞(2023)ほか。
https://www.fuji-studio.jp/外部サイトが開きます
| 中川エリカ 審査員
1.「50年先へつなぐ、コトバとカタチ」をテーマにした本コンペにおいて、特に注目している点や、重要視している要素は何ですか?
まだ40代の私は、50年前の世界がどんなだったのか、知りません。
おそらく50年前のコトバは、コトバとしては同じであっても、意味が違っていることもあるでしょう。
つまり、コトバは世界を映すナマモノのような側面を持っていて、それは建築とも似ています。
私自身の日々の建築設計では、あたらしい世界を目指して、何を変えるべきか・そのためにどんなカタチがあり得るか、を考えるわけですが、一方で、何かを変えるためには、何が変わらないべきかを考える必要があると思うのです。
この、変わる・変わらないということの再定義は、50年先へ何をつなぐべきかのヒントにならないでしょうか。
コトバとカタチの相乗効果について、アイデアを求めたいと思っています。
2.50年先にも価値を持ち続ける建築(カタチ)には、どんな「要素」が宿っていると感じますか?
生きる人間の切実さ、希望、どうしようもなさ、美しさなど、
カタチを通じて、言語とは違う方法で、私たちの身体に力強く訴えかけるパワーが宿っていると感じます。
また、当初の意味がなくなったり、変わったとしても、カタチとしての価値は失われないパワーも宿っていると感じます。
つまり、プログラムを超えて、生身の人間とどう対峙しているか、そして、それが物象化されていることが重要ではないでしょうか。
3.(建築家)ご自身がこれまでに手掛けた、もしくは感銘を受けた、今回のコンペのテーマに関連した表現を持つ作品はありますか?
言語とは違う建築のコトバ・カタチのパワーを追い求める私の事務所では、ここ数年、事務所全員での海外視察を行なっており、一昨年はバルセロナ、昨年はリスボンとポルトへ行きました。
バルセロナのミラージェスの建築は、同じ性能を求められている接合部であってもひとつひとつを変えることで、部材単位のコトバを発していたし、ポルトのシザの建築は、空気の大きさと部材の取り合いの検討の解像度の高さという、スケールを横断したカタチの構成・現れ方が印象的で、感銘を受けました。
4.審査員として学生に期待すること、伝えたいことはありますか。
私の世代と、皆さんの世代では、約20年のギャップがあります。
いま、世界はめまぐるしく変わる中で、20年違えば、考え方も、興味も、原風景も、原体験も異なるはずです。
今回のコンペのテーマにある「50年先」のヴィジョンも、私たちと皆さんでは視点が違うのかもしれません。
皆さんの世代ならではの、荒削りであっても新鮮なアイデアを期待しています。
審査員紹介

中川エリカ(なかがわ・えりか)
中川エリカ建築設計事務所代表
1983年 東京都生まれ。2005年 横浜国立大学卒業。2007年 東京藝術大学大学院修了。2007年~2014年 オンデザイン勤務。2014年〜中川エリカ建築設計事務所。2014年~2016年 横浜国立大学大学院(Y-GSA)設計助手。2023年〜慶應義塾大学大学院専任講師。主な作品に「ヨコハマアパートメント*」(2011年度JIA新人賞、第15回ヴェネチアビエンナーレ国際建築展 国別部門特別表彰)「株式会社ライゾマティクスオフィス 2015-2019」「桃山ハウス」(住宅建築賞2017金賞、第34回吉岡賞)、「八事ハウス」(第3回小嶋賞)など。
*は、西田司/オンデザインと共同設計。
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| 本多健 審査員
1.「50年先へつなぐ、コトバとカタチ」をテーマにした本コンペにおいて、特に注目している点や、重要視している要素は何ですか?
まず大切にしてほしいのは、自分自身の実体験です。
これまでに「気持ちよかった」「感動した」「面白かった」「心が静まった」と感じた体験を、ぜひ書き出してみてください。その体験を通して得た感覚や、その場の環境を、自分なりの新しい言葉として整理してみることが重要だと思います。
言葉にできたなら、それを自分の得意な分野のデザインによって、形として表現してほしいです。 私自身は、日本の先人が残してきた場所や建築、空間、そして日本ならではの四季や自然との体験こそが、このコンペに参加する上での土台になると考えています。
2.50年先にも価値を持ち続ける建築(カタチ)には、どんな「要素」が宿っていると感じますか?
例えば建築には、さまざまな要素があります。
設備や運営方法といったソフト面、用途の変化、それに伴う家具やサインなどは、時代とともに更新されていくものだと思います。
一方で、差し込む光や建物が持つ質量、かたちが生み出す存在感、陰影、そして空気感や雰囲気といったものは、時代が変わっても人の心に訴えかける、普遍的な感覚に根ざした要素です。
50年先にも価値を持ち続ける「カタチ」には、まずそうした要素が宿っていると感じます。
もし、その感覚にまだふさわしい言葉が与えられていないのであれば、ぜひ自分なりの言葉を考えてみてください。
言葉が生まれることで、想いや価値は後世へ伝わり、広がり、結果として社会を少しずつ良くしていくと私は考えています。
3.(建築家)ご自身がこれまでに手掛けた、もしくは感銘を受けた、今回のコンペのテーマに関連した表現を持つ作品はありますか?
日本じゃないんですけど…私が建築を志すようになったきっかけは、大学2年生のときに訪れた、ドイツ・ミュンヘンにあるミュンヘンオリンピックスタジアムです。
建築家であり構造家でもあるフライ・オットーが手がけた、半透明で緩やかな吊り屋根の曲線と、スタジアム周囲に広がる池や芝生の緩やかな地形。その間に身を置いたときの体験が、今も強く心に残っています。
建築の「自由さ」を、頭ではなく身体で感じた瞬間でした。それまでこの建築の存在を知らなかったからこそ、新鮮な驚きがあったのかもしれませんが、立ち止まって見入るというより、むしろ走り出したくなるような衝動に駆られたことを覚えています。
あの感覚を、どんな言葉で表現すればいいのか――。私自身も改めて言葉にしていかなければならないと感じています。
4.審査員として学生に期待すること、伝えたいことはありますか。
まずは、自分自身の体験の中にある、特別な感情や印象に残っている場所を思い出してみてください。
もし思い当たるものがなければ、ぜひ今すぐにでも旅に出てほしいと思います。別に遠くでなくて構いません。身近な場所でいいのです。 できるだけ多くの建築や空間に、実際に足を運び、触れてみてください。
スマホで検索して建物の来歴を知ることも大切ですが、それだけで終わらせず、ぜひ自分の身体で感じてほしいと思います。
そして、写真をたくさん撮り、そのとき感じたことを自分の言葉で残してみてください。
写真と言葉をセットにして蓄積していくことが、やがて自分だけの表現の土台になります。
きっとその中に、このコンペで大切にしてほしい要素が見つかるはずです。
審査員紹介

本多健(ほんだ・たけし)
建築家 / 株式会社HOOP 代表取締役
建築イベントプランナー 建築家(一級建築士)/1973年 島根県生まれ プランツアソシエイツを経て、2002年 独立。2005年 シェアオフィスFLAT4設立。2015年 建築イベント企画会社 株式会社HOOPを設立 「ラ・アトレ学生実施コンペ」「寺子屋ふくろう」シリーズ、「バリアレスシティアワード」等、建築コンペ等の企画に携わる。高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準に関する委員を務める他、山梨県丹波山村等で空き家のまちづくり等を進める。芝浦工業大学非常勤講師 建築学生サークル♭顧問
雑誌編集長
| 戸谷知里 編集長
1.「50年先へつなぐ、コトバとカタチ」をテーマにした本コンペにおいて、特に注目している点や、重要視している要素は何ですか?
テーマとちょっと矛盾してしまうかもしれませんが、言葉では言い表すことが難しい「かたち」がもつ力や魅力はあると思います。
また提案される「コトバとカタチ」が素直に良いなと感じられるかどうか、見る人に伝わるプレゼンテーションであることも大事だと考えています。
2.50年先にも価値を持ち続ける建築(カタチ)には、どんな「要素」が宿っていると感じますか?
50年後というと私も想像が難しいですが、過去の建築に目を向けてみると、50年以上前、100年以上前につくられたものに魅力を感じることがあります。
何度も訪ねたいと感じたり、例えば「壁が斜めになっているのはこういう理由からかもしれない」とか、行くたびに新たな気づきを与えてくれたりする場所もあります。時代を超える普遍性が50年先にも価値をもち続ける要素であると思うし、そのつくり手ならではの一つのクセのようなものが長く愛される何らかのデザイン要素になり得るとも思います。
3.今回のテーマに関連して、学生に特に参考にしてほしい号や資料はありますか? 編集長・審査員として、注目してほしいポイントがあれば教えてください。
・松山巖さんの『建築はほほえむ』。
素敵なものは素敵だし、変なものは変。素直な自分の感覚を大事にしようと、初心に立ちかえることができる本です。
・中川武さんの『日本の家』。
土間の三和土や襖など、日本の民家のさまざまな要素について、その素材や名称の由来、使われ方などから紐解いていて学びの多い一冊です。写真も美しいです。
・『住宅建築』2024年2月号 「特集 住まい 100年後の風景」
https://jyuken.site/no-503/
・『住宅建築』2022年10月号 「宇野友明 建築のちから」
https://www.youtube.com/watch?v=lpyf4yK4WBc
・『住宅建築』2025年2月号「地域のなかの建築 地域を育む建築」
https://jyuken.site/no-509/
・『住宅建築』2025年12月号「服部康信 暮らしのかたちを紡ぐ」
https://jyuken.site/no-514/
4.審査員として学生に期待すること、伝えたいことはありますか。
樹木だったら50年後にはかなり大きく成長しているし、皆さんも60代、70代くらいになっていて身体性も変わっています。
家を建てた主が世代交代している可能性もあります。50年経てばいろんな変化が起きるはずです。今回のテーマは自由度が高いですが、抽象的で難しさもあると思うので、ご自身である程度具体的な場所やシーンの設定をしたほうが考えやすいかもしれません。楽しみにしています。
審査員紹介

戸谷知里(とや・ちさと)
隔月刊『住宅建築』編集長
2016年 京都工芸繊維大学大学院修了。同年、建築思潮研究所に入社、『住宅建築』の編集に携わる。501号(2023年10月号)より編集長を務める。
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| 澤田忍 編集長
1.「50年先へつなぐ、コトバとカタチ」をテーマにした本コンペにおいて、特に注目している点や、重要視している要素は何ですか?
普遍性が感じられるある種の「力強さ」を持つもの。
自身の空間体験から、時代性と普遍性をどのように読み解き、何が50年後に繋がる(繋ぎたい)と学生の皆さんが考えているのか注目したいと思います。
2.50年先にも価値を持ち続ける建築(カタチ)には、どんな「要素」が宿っていると感じますか?
力強さにつながりますが、圧倒的な「美しさ」を持つものにはその価値が宿ると思います。
それは誰が見ても体験しても感動を与えるもので、自ずと残っていくものだと思います。
3.今回のテーマに関連して、学生に特に参考にしてほしい号や資料はありますか? 編集長・審査員として、注目してほしいポイントがあれば教えてください。
(日本の造園が内包する)伝統知を未来へ向けてコトバとカタチで表すことにチャレンジしていただけたらと思います。
・参考資料
『庭』創刊号からバックナンバー全号(どれでも)

https://www.kskpub.com/search/g14913.html
『土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技』高田宏臣著

https://www.kskpub.com/book/b509625.html
4.審査員として学生に期待すること、伝えたいことはありますか。
100年ではなく50年という近未来に向けて「コトバとカタチ」でどのように未来社会の一端を描き、その過程を想像しているのか。「技術」にどのように向き合うのかということにも注目したいと思っています。
審査員紹介

澤田忍(さわだ・しのぶ)
季刊『庭』編集長
大手住宅メーカー勤務後、株式会社商店建築社入社。月刊『商店建築』編集部にて編集に携わる。2001年『indoor green style』誌創刊。 2007年春夏号まで編集長を務める。2007年10月『URBAN GREEN』発刊。2008年 同社を退社。2013年より現職。
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| 渡辺未央 編集長
1.「50年先へつなぐ、コトバとカタチ」をテーマにした本コンペにおいて、特に注目している点や、重要視している要素は何ですか?
「コトバとカタチ」を結びつけることは、きっと学生のみなさんが日々の設計の課題のなかで求められ、また意識していることのひとつではないかと思います。
このコンペは実現させるための提案よりもアイデアを主眼にしていますし、個人的には学生の方々の自由な発想を楽しみにしているので、このテーマに対してどのようなアプローチで応えてくるのかに期待したいです。
2.50年先にも価値を持ち続ける建築(カタチ)には、どんな「要素」が宿っていると感じますか?
私たちがつくっている雑誌『コンフォルト』では、職人さんにお話をうかがうことが多いです。
すると、各地の気候風土に合わせる工夫など、長い年月をかけて培われた技がたくさんあることに気づかされます。もちろん、素晴らしい建築には、時代を超えて愛される力があることも、を振り返ると理解できると思います。過去の真似をするのではなく、またゼロからあたらしいものを生み出すのでもなく、これまでの歴史から学んだことをその人らしいかたちで「建築」にすることがたいせつなのではないでしょうか。
(編集長)今回のテーマに関連して、学生に特に参考にしてほしい号や資料はありますか? 編集長・審査員として、注目してほしいポイントがあれば教えてください。
・『コンフォルト』2026年2月号 「茶室をひらく」
敷居が高いと感じられる茶室を、もっと自由に捉えることで新たな可能性を感じてもらおうと意識した特集です。
https://www.kskpub.com/book/b10154496.html
・『コンフォルト』2025年10月号 「芦沢啓治」
建築家・芦沢啓治さんの特集です。芦沢さんは、とくに最近はアジアでのラグジュアリーな空間を多く手がけています。また、自身の考えを言葉にすることもとてもお上手なので、「コトバとカタチ」を考えるヒントになるでのはないでしょうか。
https://www.kskpub.com/book/b10144426.html
・『コンフォルト』2025年4月号 「土」
土という素材が、どのように使われてきたか。これから、どのようなことができるか。学生のみなさんにぜひ読んで、感じてもらいたいです。
https://www.kskpub.com/book/b10132528.html
・『コンフォルト』2024年12月号 「日本の気配」
日本らしい感覚を集めた特集です。言葉にできるようで、できない、感性を建築に込めた例を紹介しています。
https://www.kskpub.com/book/b10087084.html
審査員として学生に期待すること、伝えたいことはありますか。
50年後、と聞くと遠い未来の話に感じてしまいますが、学生のみなさんはまだまだ現役で働いている世代だと思います。
想像もつかないような変化もたくさん起きているんだろうと思いますが、いまの私たちの感覚と変わらない普遍的な部分もたくさんあると信じているので、自分の身のまわりのことから、発想を広げてもらえたら嬉しいです。
審査員紹介

渡辺未央(わたなべ・みお)
隔月刊『コンフォルト』編集長
2006年 日本大学大学院理工学研究科修了。同年、有限会社アイシオール入社、『コンフォルト』編集部に所属する。2022年8月号より同誌編集長。
https://confortmag.net/外部サイトが開きます
■ 【3/15 応募締切!】第2回『建築資料研究社 全国建築学生チャレンジコンペ』情報はこちらから
第二回 建築資料研究社 全国建築学生チャレンジコンペ



建築資料研究社は
「文化としての住まいを考える」『住宅建築』(1975-)
「庭の過去・現在・未来を発信し続ける」『庭』(1976-)
「インテリアの心地よさをつくる」『コンフォルト』(1990-)の3つの雑誌を発刊しています。
建築やそれを取り巻く様々な要素を、それぞれが独自の目線でとらえ、日本の風土や伝統も踏まえながら、ひとの暮らしのあり方を発信してきました。2024年秋、『コンフォルト』は通巻200号に到達し、2025年は『住宅建築』が創刊50周年、さらに2026年には『庭』が創刊50周年を迎えます。各誌がこうした節目を迎えるなか、情報を発信する役割を一歩踏み超え、建築学生がその創造性を発信する場を提供するため、2025年4月に初となる「全国建築学生チャレンジコンペ」を開催いたしました。
2年目となる2026年は、「ことば(造語)」と「かたち(デザイン)」を主テーマとしたコンペを開催いたします。
建築学生の豊かで独創性にあふれる想像力・世界観を表現する場であるこの「全国学生チャレンジコンペ」にご参加くださることを願っております。
『住宅建築』
https://jyuken.site/(外部サイトが開きます)
『コンフォルト』
https://confortmag.net/(外部サイトが開きます)
『庭』
https://niwamag.net/(外部サイトが開きます)
建築資料研究社 BOOKS & MAGAZINES
https://www.kskpub.com/(外部サイトが開きます)
■ テーマ:50年先へつなぐ、コトバとカタチ
AIが空間をデザインする時代に、なぜ「あなたの言葉」が必要なのか。
それは、心地よさは体験でしか生まれないから。
あなたが日々の中で感じた「あの気持ち」を言葉にして、空間にする。
その感性こそが、50年先へつなぐ種になります。
50年先の暮らしや佇まいを、今この時点で正確に想像することはできません。
けれど、どれほど時代や技術が進んでも、人が心地よいと感じる瞬間や、
誰かとつながる安心感――そんな普遍的な感覚は、きっと変わらず求められているはずです。
変わりゆく社会の中で、人が本質的に求める「居場所」とは何か?
建築・インテリア・庭等様々な分野から、未来に受け継がれる価値を見出し、
あなた自身の感覚から生まれる新しい言葉で提案してください。
「日向ぼっこ」「夕涼み」「朝ぼらけ」――
これらの言葉に共通するのは、たとえ体験していなくても、
誰もがどこかで感じ取れる心地よさを表している点にあります。
先人たちが日々の営みの中で紡いできたこうした言葉は、日本の文化とも言えるでしょう。
今回のコンペでは、あなた自身の感覚に素直に向き合い、
「あの気持ち」「あの居場所」を、ことばとして表現してください。
そして、そのコトバにふさわしい空間を、あなたの得意分野でカタチにしてください。
コンペ概要
| イベント名 | 第二回 建築資料研究社 全国建築学生チャレンジコンペ | ||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| テーマ | 50年先へつなぐ、コトバとカタチ | ||||||||||||||||||
| 応募資格 | 2026年4月時点で大学・大学院・短期大学、高等専門学校、専門学校等に在籍している学生
・どの地域からも応募可能です。 |
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| 審査員 | 原田真宏(はらだ・まさひろ) 建築家 / MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 主宰 中川エリカ(なかがわ・えりか) 中川エリカ建築設計事務所代表 本多健(ほんだ・たけし) 建築家 / 株式会社HOOP 代表取締役 戸谷知里(とや・ちさと) 隔月刊『住宅建築』編集長 渡辺未央(わたなべ・みお) 隔月刊『コンフォルト』編集長 澤田忍(さわだ・しのぶ) 季刊『庭』編集長 |
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| 日程 |
応募登録期間2025年11月20日(木)~2026年3月15日(日)23:59まで 作品提出期間2025年12月1日(月)~2026年3月31日(火)23:59まで 結果発表・公開審査2026年4月18日(土) ※「日建学院」公式サイト内で審査結果及び各賞の発表をします。 |
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| 賞 |
※住宅建築賞・コンフォルト賞・庭賞の受賞作品は各専門誌へ掲載いたします。 |
応募・提出方法
| 応募方法 |
応募登録期間2025年11月20日(木)~2026年3月15日(日)23:59まで 下記応募登録用フォームより、応募登録をしてください。 ※グループ応募の場合は、代表者のみご登録ください。作品提出時に、代表者の方がグループ全員の情報をご入力いただきます。 |
|---|---|
| 提出物 |
作品提出期間2025年12月1日(月)~2026年3月31日(火)23:59まで 提出物A3横 二枚 PDFでの提出(手書き可)
|
| 設計条件 |
設計条件インテリア、建築、ランドスケープ、アート等。 敷地条件具体的な場所を設定しないが、おおむね20㎡程度の小さな建築、アート、もしくは小規模なランドスケープ等が |
| 注意事項 |
提出物についての注意提出データは必ず手元にバックアップを用意した上でお申し込みください。 その他 注意事項等応募に際しての注意応募作品の一部あるいは全部が、第三者の権利(知的財産権や著作権等)を侵害しないようにしてください。 作品の権利関係について応募作品および図面・写真等に関する著作権は、応募者もしくは権利保有者に帰属しますが、作品発表に関する優先的権利、および発表に際して作成する制作物の著作権は主催者が保有するものとします。 個人情報について作品応募にあたりご提供いただきました個人情報は、主催者および運営事務局が適切に管理し、応募者の承諾なしに第三者に開示・提供することはありません。 |
審査員紹介
原田真宏(はらだ・まさひろ)
建築家 / MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 主宰
1973年 静岡県生まれ。1997年 芝浦工業大学大学院建設工学専攻修了。1997-2000年 隈研吾建築都市設計事務所。2001-2002年 文化庁芸術家海外派遣研修制度(J.A.M.LAPENA & ELIAS TORRES Architects)。2003年 磯崎新アトリエ。2004年 原田麻魚と共に MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 設立。2008年 芝浦工業大学 准教授。2016年- 芝浦工業大学 教授。代表作として〈XXXX〉、〈m3/Kg〉、〈Tree house〉、〈海辺の家〉、〈Seto〉、〈知立アフタースクール〉、〈道の駅ましこ〉、〈Entô〉、〈STROOG 社屋〉などがある。主な受賞歴に SD Review 鹿島賞(2003)、AR Awards(2008, 2009, 2011, 2015)、LEAF AWARDS(2011, 2015)、JIA 新人賞(2015)、AACA 賞(2015, 2021, 2022) 芦原義信賞(2015)、日本建築学会作品選奨(2017, 2018)、JIA 日本建築大賞(2018)、BCS 賞(2018, 2021)、日本建築学会賞(作品)(2020)、 AACA 賞 優秀賞(2021)、JIA 優秀建築選(2022)、第14回 JIA 中国建築大賞 2022 大賞(2023)、JIA 優秀建築賞(2023)ほか。
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中川エリカ(なかがわ・えりか)
中川エリカ建築設計事務所代表
1983年 東京都生まれ。2005年 横浜国立大学卒業。2007年 東京藝術大学大学院修了。2007年~2014年 オンデザイン勤務。2014年〜中川エリカ建築設計事務所。2014年~2016年 横浜国立大学大学院(Y-GSA)設計助手。2023年〜慶應義塾大学大学院専任講師。主な作品に「ヨコハマアパートメント*」(2011年度JIA新人賞、第15回ヴェネチアビエンナーレ国際建築展 国別部門特別表彰)「株式会社ライゾマティクスオフィス 2015-2019」「桃山ハウス」(住宅建築賞2017金賞、第34回吉岡賞)、「八事ハウス」(第3回小嶋賞)など。
*は、西田司/オンデザインと共同設計。
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本多健(ほんだ・たけし)
建築家 / 株式会社HOOP 代表取締役
建築イベントプランナー 建築家(一級建築士)/1973年 島根県生まれ プランツアソシエイツを経て、2002年 独立。2005年 シェアオフィスFLAT4設立。2015年 建築イベント企画会社 株式会社HOOPを設立 「ラ・アトレ学生実施コンペ」「寺子屋ふくろう」シリーズ、「バリアレスシティアワード」等、建築コンペ等の企画に携わる。高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準に関する委員を務める他、山梨県丹波山村等で空き家のまちづくり等を進める。芝浦工業大学非常勤講師 建築学生サークル♭顧問
戸谷知里(とや・ちさと)
隔月刊『住宅建築』編集長
2016年 京都工芸繊維大学大学院修了。同年、建築思潮研究所に入社、『住宅建築』の編集に携わる。501号(2023年10月号)より編集長を務める。
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渡辺未央(わたなべ・みお)
隔月刊『コンフォルト』編集長
2006年 日本大学大学院理工学研究科修了。同年、有限会社アイシオール入社、『コンフォルト』編集部に所属する。2022年8月号より同誌編集長。
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澤田忍(さわだ・しのぶ)
季刊『庭』編集長
大手住宅メーカー勤務後、株式会社商店建築社入社。月刊『商店建築』編集部にて編集に携わる。2001年『indoor green style』誌創刊。 2007年春夏号まで編集長を務める。2007年10月『URBAN GREEN』発刊。2008年 同社を退社。2013年より現職。
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■ 過去の開催状況
■ アーカイブ動画:【審査員が唸る】”和”の概念を拡張する学生デザイン:215作品から選ばれた傑作の舞台|公開審査『まだ名もない和の表現』|第1回 建築資料研究社 全国建築学生チャレンジコンペ
「株式会社建築資料研究社/日建学院」主催の「全国建築学生チャレンジコンペ」公開審査の模様を完全収録。MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIOの原田真宏氏、suzuko yamada architectsの山田紗子氏、雑誌『コンフォルト』編集長の渡辺未央氏をはじめとする豪華審査員陣が、学生たちの「まだ名もない和の表現」に真摯に向き合います。本動画では、クラック(ひび割れ)を金継ぎの技法で美しく再生する「金割れ目」、都市の風景を透過するフレームで切り取り、想像力を拡張する「透窓」、日本人の床座りの習慣に着目し、3つの重心を持つ空間を提案する「彩重心」など、多様なアプローチで「和」を表現した作品が詳細に解説されます。審査員たちが作品に込めた学生の思考や情熱を紐解き、時にユーモアを交えながら繰り広げる議論は必見です。最終的に選出された18作品は書籍化され、一部は専門雑誌に掲載されています。
■ アーカイブブック:全国建築学生チャレンジコンペ アーカイブブック2025
まだ名もない和の表現
建築を取り巻く文化やデザインについての発信を続ける建築専門雑誌を敢行し続ける建築資料研究社が、満を持して主催した初の学生向けコンペ「建築資料研究社 全国建築学生チャレンジコンペ」。2025年は「まだ名もない和の表現」をテーマに作品を募集し、集まった215作品から6人の審査員による公開審査で合計18作品の受賞作品が選出された。本書はその公開審査ならびにに各賞選定の審査員の講評、応募作品を収録したアーカイブブックです。
主催
株式会社 建築資料研究社/日建学院
https://www.ksknet.co.jp/
お問合せ
株式会社 建築資料研究社/日建学院 学生サポート課
nikken-gs★to.ksknet.co.jp
ご連絡の際は★を@に変更してください
詳細
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