【結果報告】Design Review 2020
Design Review 2020 審査結果発表
2020年3月14日に行われた、「Design Review 2020」の結果が公開されました。
審査結果をお知らせします。
応募総数:240作品
一次予選通過:57作品
最優秀賞 | 風景の転写 -名山横丁における木密長屋の新しい更新- 27.森下彩(熊本大学) 「まちが更新される時、愛され続けた”名山横丁の風景“が忘れられてしまうような建築が建つのは悲しい」ずっと抱き続けたその違和感への答えとして、「風景を転写し、その骨格だけを残すこと」を選びました。転写により木密の縛りから解放された空間は、自由で新しく、でも懐かしいと感じるものであってほしい。まちのプラットホームとなるような文化交流施設の計画を通して、木密長屋の新しい更新の在り方を考えます。 |
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優秀賞 | 他者から見た世界 -新たな感覚の扉を開く実験的建築- 3.樋口紗矢(九州大学) 新世代における技術や機械の発達により、人々は自らの感覚や肉体を使わなくなっていった。進化の過程で枝分かれしてきた生物たちは、人と全く異なる感覚を持ち、全く異なる世界を見る。少し先の未来に向け、彼らの見る環世界から空間を創造し、それらを繋ぎ合わせることで新たな空間の可能性を見出し、人々が新たな感覚を獲得する建築を提案する。「感覚が変われば世界が変わる。」それをあくまでモノとして、建築として表現した。 巣喰う街の観察日記 街は誰によって作られるのか。これは失われゆく小さな営みを顕在化させる事によって、この先起こるかもしれない出来事を観察した都市更新物語である。ここでは現時点を2060年と設定し、街が形作られていく中での出来事を幾つか抜粋して振り返る。多様な巣喰うもの達が主人公の観察日記を通して伝えたいことは、些細な出来事の集積によって街は形づくられているということです。あなたなら、この街にどんな日記を想像しますか? |
青木弘司賞 | 出雲に海苔あり塩あり 14.岡野元哉(島根大学) 敷地は、出雲大社の横に位置する大社港です。その地でしか成立しない建築を目指し、出雲の食文化である、岩海苔と神塩に着目して、その生産・加工と、それに伴う観光を行う建築の設計を行いました。地方の建築のあり方と、天変地異が多い日本において、観光が抱える脆弱性に対しての提案です。 |
門脇耕三賞 | 時器の森 7.北島千朔(九州大学) 日本の磁器発祥の地有田町に残る建築を創る。 ここでは伝統を吸収したうえで新しい様式を常に受け入れてきた。 磁器を伝統産業から工業製品としての立ち位置を確立させたきっかけを作った工場を敷地として選び、有田にとって大切な歴史の一つとして工場の技術・記憶を残す提案を行った。 磁器の特徴から磁器タイルを考案し積み上げることで、本来分厚く重いイメージのある組積造を光の透過する薄くて軽いようなものとして成立させる。 |
髙橋一平賞 | 待つ 場所 Waiting and Waited Place 42.佐藤美音(千葉工業大学) 「待つ」とはどういうことなのだろうか。 目的の途中に生まれた無駄で意味がなくネガティヴな認識だろう。 太宰治の文章に「いったい、私は、誰を待っているのだろう。はっきりした形のものは何もない。ただ、もやもやしている。けれども、私は待っている。」という一節がある。待つとはこのように曖昧で身を任せるしかない、しかし希望のあるものであったはずだ。 待つことを忘れてしまった現代社会にただ待つ場所を設計する。ここで人は、建築は、場面は待ってしまうだろう。 |
原田祐馬賞 | さとや 6.内田大貴(麻生建築&デザイン専門学校) 私のふるさとは、大きな家族のような距離感の町民が、今でもたくさんの行事などの文化を町の為に守り続ける、人口250人ほどのいつか終わりゆく小さな農村。長い時間をかけゆっくりと発展し、これから衰退、そして破綻していく。このまちの記憶をどう残すか、どう町を看取り手向けるかを考えた。 ここで実際に建て替え予定である公民館の建て替えを含めた。まちの記憶を残す まちの中枢施設の提案を行う。故郷に残る 人、文化、ふるまいを集め この建築によって最期までを看取り、 手向ける建築の提案。 「さとや」 |
デザインレビュー2020 実行委員会