【結果報告】新『五輪書』 デザコン2019inTOKYO 第16回全国高等専門学校デザインコンペティション
デザコン2019inTOKYO 第16回全国専門学校デザインコンペティション 結果
12月8日、大田区産業プラザPiOにて、各種審査が行われました。
結果をお知らせいたします。
結果概要
地之巻
■空間デザイン部門
テーマ | 「多文化共生空間の創出」 |
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賞 | 最優秀賞 『CRUMBLE 個と都市をつなぐ線的な集団形成』 (秋田工業高等専門学校) 優秀賞 優秀賞 審査員特別賞 審査員特別賞 |
水之巻
構造デザイン部門
テーマ | 「カミってる 」 |
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賞 | 最優秀賞 『逞弓』 (米子工業高等専門学校) 優秀賞 『信憑』 (モンゴル高専) 優秀賞 審査員特別賞 審査員特別賞 日刊建設工業新聞社賞 |
火之巻
創造デザイン部門
テーマ | 「 彼(か)を知り、己を知る-未来につながる持続可能な地元創生 」 |
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賞 | 最優秀賞 『森になる、私たちの「地元」』 (米子工業高等専門学校) 優秀賞 優秀賞 審査員特別賞 審査員特別賞 総合資格賞 |
風之巻
AM デザイン部門
テーマ | 「社会的弱者に向けた スポーツ支援アイテム開発」 |
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賞 | 最優秀賞 『剣道防具型』 (神戸市立工業高等専門学校) 優秀賞 審査員特別賞 審査員特別賞 ※優秀賞1作品は該当なし |
空之巻
プレデザコン部門
テーマ | 気になる“もの” |
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賞 | 最優秀賞(空間デザイン) 『最期の記憶 銀山温泉』 (仙台高等専門学校 名取キャンパス) 優秀賞(空間デザイン) 特別賞(空間デザイン) 最優秀賞(創造デザイン) 優秀賞(創造デザイン) 特別賞(創造デザイン) 最優秀賞(AMデザイン) 優秀賞(AMデザイン) |
『五輪書』は宮本武蔵の兵法書である。これをメインテーマに据えて新『五輪書』としたのは2020年に開催されるオリンピック・パラリンピック東京大会を視野に入れてのことである。だが、オリンピック(五輪)と「五輪」書という単なる語呂合わせではない。
そもそもオリンピックが「五輪」と略称される由来は『五輪書』にある。『五輪書』から着想を得て、新聞の見出しに使われたのが始まりである。文字節約のためであったが、潜在的には剣術の奥義を究め
ようとした宮本武蔵のイメージにオリンピックという大舞台で戦う選手の姿を重ねてのことではなかったか。日々デザコンをめざしてひたむきに努力する学生の姿もここに重ねたい。
『五輪書』が成るのは戦国から江戸へという時代の転換期であった。価値観の揺らぎのなかでの「地・水・火・風・空」という東洋的世界観による普遍性の 追究 。この二十一世紀というグローバル時代もま
さに一つの転換期であり、確固たる価値観・世界観の持ちにくい時代である。オリンピック・パラリンピックは人種・性別・障がいの有無など、多様な人々が出会い、競い合うなかで価値を創造する場でもある。こうした多様性・異質性の出会いがもたらす可能性はデザ コンの世界にも通じているはずだ。
最後に、蛇足ながらサブタイトルの「デザイン」に注記を加えておきたい。これは過去の大会での「デザインからエンジニアリング・デザインへ」という提起を受けてのカッコ書きであり、スタティックな「デザイン」を意味しない。このテーマのもと、二十一世紀というグローバル時代に求められる デザインの奥義、それぞれにおける新『五輪書』を追究してほしい。
2019年12月7日(土)~8日(日)
開催地:東京都大田区
会 場:大田区産業プラザPiO(東京都大田区南蒲田1-20-20)
メインテーマ
新『五輪書』
―<デザインの奥義を究めよ>―
地之巻
空間デザイン部門 【 多文化共生空間の創出 】
近年、日本への外国人観光客が増加の一途を辿っており、2020年の東京オリンピックを契機にさらなる増加が見込まれる。さらに、日本の少子高齢化を背景に人手不足が深刻な問題となっており、日本に居住する外国人も増加している。このような状況下で日本人と外国人の交流や相互理解が円滑に行われるような外国人との共生空間が求められている。「活力あるニッポン」を支えるために「多文化共生空間」の創出・提案を求める。
水之巻
構造デザイン部門【 カミってる 】
東京大会では、素材をがらりと変え、和歌山大会以来続いている「銅」から「紙」とします 。また、同時に素材の形状が線状から面状へ変わります。それでも、「銅」とは違う、「紙」がもっている強さ、軽さ、しなやかさを十分に活かした、新たな課題への挑戦に期待します。耐荷性、デザイン性、経済性等に“カミってる”構造を探り当ててください。そして、新『五輪書』水之巻の奥義を究めてください。
火之巻
創造デザイン部門 【 彼(か)を知り、己を知る-未来につながる持続可能な地元創生 】
『 五輪書 』 には、大分(大勢)の兵法と一分(個人)の兵法は同じであると記されている。これを地方創生に置き換えれば、この問題は実は世界における日本の創生に、さらには一個人における個性を創生することに繋がるのではないか。地方創生における「地方」とは、「人」なのか、「土地」なのか、はたまた「文化」の次元なのか。己を知るためには彼の地の人、土地、文化を知ることが強力な手法となる。なぜなら、それは日常気づかなかった個性に気づかせてく れるかもしれないからだ。「彼を知り、己を知る」、つまり「視点を変える」ことの可能性。創造デザイン部 門では、この問題に立ち向かう。
風之巻
AM デザイン部門 【 社会的弱者に向けた スポーツ支援アイテム開発 】
2020年にオリンピック・パラリンピックが東京で開催されます。その精神である人種、性別、障がいの有無などの多様性を互いに認め受け入れる点は、グローバルに活躍する技術者に求められていることと類似しています。すなわち、これからの技術者には社会的弱者、地域・年齢・性別・障がいの有無などによって社会的に不利になっている人たちの多様性に伴う様々な問題をグローバルな視点で技術的に解決することが求められています。そこで、AMデザイン部門のテーマを「社会的弱者に向けたスポーツ支援アイテム開発」とし、競技スポーツだけでなく、生涯スポーツも含めた各種スポーツを支援する新たなアイテムを、3Dプリンタによる造形技術を活用し、開発してもらいます。本企画への取り組みを通じて、学生が技術者として大きく飛躍するきっかけとなることを期待しています。
空之巻
プレデザコン部門【気になる“もの”】
高専 3年生以下限定のデザインコンペティションです。昨年までの企画に引き続き、今年も「 気になる もの 」とします。既成概念にとらわれない若者らしい自由な発想による幅広いデザインを求めます。以下、フィールドごとにテーマを設定しています。
(1)空間デザインフィールド:現存するまたは過去に実在した建造物あるいは風景のスケッチ、パースや透視図作成
(2)創造デザインフィールド:次回仙台大会の開催テーマにふさわしいエコバッグのデザインの提案
(3)AMデザインフィールド:落下時に最も衝撃の少ないシェルターの提案
一般社団法人全国高等専門学校連合会
主管校:東京都立産業技術高等専門学校品川キャンパス
東京都立産業技術高等専門学校品川キャンパス 管理課教務学生係
TEL03-3471-6331 FAX 03-3471-6338 Email dc19-kanri@metro-cit.ac.jp
デザコン2019 TOKYO official book 発売中!!
編:一般社団法人全国高等専門学校連合会
発行:株式会社 建築資料研究社/日建学院
デザコン2019 東京 official book
東京で開催された第16回「全国高専デザコン」、その全容を伝える公式記録集。空間デザイン/構造デザイン/創造デザイン/AM(Additive Manufacturing)デザイン/プレデザコンの全5部門を収録。各競技の審査過程を明らかにし、作品ごとに講評も掲載。応募作品全293点を網羅した完全版!
デザコン2018 北海道 official book
やわらかいアタマが、コトとモノをカタチにする。 釧路で開催された第15回「全国高専デザコン」、その全容を伝える公式記録集。 空間デザイン/構造デザイン/創造デザイン/AM(Additive Manufacturing)デザイン/プレデザコンの 全5部門を収録。 各競技の審査過程を明らかにし、作品ごとに講評も掲載。 応募作品全290点を網羅した完全版!
デザコン2017 岐阜 official book
14回目を数える「全国高専デザコン」、そのすべてを伝える公式記録集。 2017年12月に行われた清流の国ぎふ大会でのAMデザイン、構造デザイン、空間デザイン、創造デザイン、プレデザコンの5部門、全作品を網羅、延べ2日間にわたる競技の全容を伝える。
デザコン2016 in Kochi official book
13回目を数える「全国高専デザコン」、そのすべてを伝える公式記録集。 2016年12月に行われた高知大会でのAM(Additive Manufacturing)デザイン、構造デザイン、空間デザイン、創造デザイン、プレデザコンの5部門、全作品を網羅、延べ3日間にわたる競技の全容を伝える。
デザコン2015 in 紀の国わかやま+AMデザイン部門夏大会
高専スピリット、百花繚乱。 未来の技術は、彼らが拓く。 12回目を数える「全国高専デザコン」、そのすべてを伝える公式記録集。 2015年11月に行われた和歌山大会での空間デザイン・構造デザイン・創造デザイン・AM(Additive Manufacturing)デザインの5部門に加え、8月に仙台で開催の別競技(AMデザイン部門夏大会)も併せて収録。 全280作品を網羅、延べ3日間にわたる競技の全容を伝える。
デザコン2013 in 米子
ロボコンだけじゃない、高専のアタマとワザ! 第10回目を数える「全国高専デザコン」、初の公式記録集。全298作品を収録、空間・構造・環境・創造・3Dの5部門にわたる競技の全容を伝える。