【12/17@東京+オンライン】田中智之×古谷誠章 『タナパーで建築・都市・...
本年最後のフォーラムは、文字通り世に定着した感のある「タナパー」の作者である田中智之さんをお招きし、その独特の透視眼と繊細な描写力を解剖しつつ、その表現力の源を探索したいと思います。私の思うにタナパーには二種類あり、一つ目は皆さんもよくご存知の精緻な描写によって、実物以上に想像力を豊かに喚起させる完成されたものを描いたもので、完結したペン遣いが観るものを圧倒する。もう一つはまだ見ぬ想像上にあるイメージを描出するもので、こちらはむしろやや奔放なタッチで描かれ、これから完成するであろう空間の有り様を、人それぞれに豊かに感じさせる。どちらも余人の追随を容易に許さないものだが、私は特にこの後者の能力に大きな可能性を感じるものである。それを一言で言うなら、建築を通して都市を、都市を通して環境を見通し、構想する能力と言えるだろう。その透視眼を通して構想される世界を、種々の活動の成果と合わせて開陳してもらいたいと思います。建築家フォーラム代表幹事:古谷誠章