「これからの建築経営合宿 in いすみ」参加レポート|植松千明(植松千明建築事務所)

これからの建築経営合宿 in いすみ

講師:高橋寿太郎(創造系不動産代表)

これからの建築経営合宿に参加して


創造系不動産の高橋寿太郎さんが講師をする『これからの建築経営合宿』に参加しました。
高橋寿太郎さんは、アトリエ系設計事務所で長年働き、ご自身も経営者であることからお話にとても説得力があり、何よりも「建築と経営のあいだ」の本を読み参加を決めました。

2日間、千葉県のいすみ市で強制的に自分の立ち位置をしる時間を作り出したいと思い参加しました。参加者の幅は広く、アトリエ事務所・組織設計事務所・不動産会社に勤務している人、アーティスト、出版社を立ち上げようとしている人までがいてたくさんの大きな出会いがありました。普段知り合えない人と知り合えるのもこの合宿の魅力だなと思いました。プログラムの中には、「自分の強み」を整理するものがあるのですが、強みは、自分は得意だなと思っていても比較する相手がいないと確信が持てなかったりします。また、自分のことは意外と自分ではわからないというのを改めて感じました。私の場合、女性であることも業界的には少数派であることも強みですし、都内をメインの拠点として設計をしていくことも合宿メンバーの中では少数派でした。当たり前になりすぎていて気付かないことにも強みになると発見がありました。また、ダイバーシティというテーマで活動していきたいと考えていたのですが、世の中ありふれてテーマだからと悩んでいましたがメンバーの中で同じようにテーマを掲げている人はいないことにも気付き、自信をもって事業に取り組みたいと思うようにもなりました。

同業者でも守備範囲が違う(得意な建物用途がある、活動地域が違うなど)と協力もしあえます。実際に、独立して、クライアントに説明するときも強みや方向性をしっかり話せると両者が目指したいの方向性もより強くなっていると感じプロジェクトに勢いがつく感じがします。プログラムの中に、利害関係者の整理をするワークがありました。合宿中はあまり意図がよく分かっていなかったのですが、独立後、利害関係者への自分自身の設計事務所の方向性の周知の重要性を感じることが多くなり仕事の段取りなども事前に調整ができたので、ありがたい時間でした。

合宿に参加して、一番の大きな気付きは、経営マインドについての講義中にありました。私は建築設計をずっと仕事にしていたいと意識が強すぎてなんとなくの戦略ばかりをたてていたのですが、本当の想いは建築設計に集中する環境を心から望んでいることが分かったことです。分かることで、事務作業やマーケティングをやってくれる人を雇用したいや外注したいなど、経営の目指す方向性もよりしっかり見えてきました。しっかり自分について知る機会を今後も設けていきたいと思いました。

◆働き方も設計する。経営とはやりたいことをするため、幸せになるためにある


「経営」の解釈はそれぞれであると思いますが、私は、やりたいことを達成するために経営があると考えています。自分がベストな状態にあるときにベストな設計ができるとも考えています。自分の設計するための土台から設計をしていく感覚です。
高橋寿太郎さんがよくおっしゃっているのは、経営とは幸せになるためにある。まさにそうだということを合宿に参加して強く感じました。どのようなクライアントとどのような建物をつくっていきたいかということが明確になってくるとクライアントとの意思疎通もしやすくなると感じています。何より自分自身がとても楽しいです。

 経営っていうものが得意かもと思う人には、卒業後すぐに起業するという選択肢もあると思います。足りない経験は、経験にある人にお金を払って頼めばいいと思います。日本に建築家の文化が根付いてからまた100年ちょっとくらいです。まだまだ進化をとげていくはずだと思っています。学生のみなさんには、既存のスタイルに囚われず、建築業界に新しい働き方のスタイルで参入してきてもらって盛り上げてもらいたいです。私も負けずに頑張っていきたいと思います。

おすすめ書籍

建築と経営のあいだ 高橋寿太郎著 学芸出版社
新・パーソナルブランディングー独立・起業を成功させる 18 のステップー 西澤明洋著
宣伝会議

主催:いすみラーニングセンター
講師:高橋寿太郎(創造系不動産代表)
日時:2020年11月22日(日)・23日(月)
会場:千葉県いすみ市
対象:建築家やデザイナー、士師業、または建築に関する会社経営者やこれから独立経営を目指している方
参加費:23,000円/人(税別)

講師プロフィール

〇高橋寿太郎
不動産コンサルタント
 一級建築士
 宅地建物取引士
 経営学修士(MBA)

1975年 大阪市生まれ
学生時代は京都にて建築家 岸和郎に師事し、2000年に建築工学とデザインを修了。2007年まで東京の設計事務所(古市徹雄都市建築研究所)で、住宅から商業施設、公共建築まで多くの設計業務を歴任。その後2011年まで東京の不動産総合会社で、分譲開発・仲介・管理・コンサルティングなど幅広く業務。
2011年11月、創造系不動産株式会社を設立。不動産の仲介業務と、建築家・デザイナーとのコラボレーション案件を多く手がける。同時に創造系不動産スクールを開講。
2019年より、建築と不動産のあいだを追究する事業として、「いすみラーニングセンター」「創造系旅行社」「建築家住宅手帖」などの展開をはじめる。
著書に『建築と不動産のあいだ』(学芸出版社 2015年)、『建築と経営のあいだ』(学芸出版社2020年)
受賞に『これからの建築士賞』(東京建築士会2016)、『グッドデザイン賞』(2016年、2017年、2019年)

〇建築PM/CM 建築と経営のあいだ研究所・プログラムファシリテーター
澁谷高陽

〇株式会社Lay代表
野村 里奈

著者紹介

名前:植松千明
建築家/一級建築士
植松千明建築事務所 主宰
日経xwomanアンバサダー
略歴

1987 :神奈川県生まれ
2011-2012:設計事務所勤務
2012-2014 :フリーランス       
2014-2021:株式会社 山田守建築事務所 意匠主任
2021~:植松千明建築事務所 開設

建築設計から多くの人が生きやすく、個性が輝く社会に貢献したく、女性経営者に寄り添った教育・福祉施設に取り組んでいく予定。

[賞歴] 建築新人戦2009 最優秀新人賞 他

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