【10/4 締切】土木デザイン設計競技 景観開花。2020
土木デザイン設計競技 景観開花。2020
2004年から15回にわたり行われてきた、学生向け土木デザインコンペ『景観開花。』が1年の休止を経てリニューアル。
土木デザインに関心のある若者の力を試せる場を提供するとともに、多くの人々へ向けて土木デザインの可能性を示すためのイベントとして再始動する。
『景観開花。』は、土木デザインに関心のある若者へその力を試せる場を提供するとともに、多くの人々へ向けて土木デザインの可能性を示すための設計競技イベントである。
高度経済成長期の日本では早急な社会基盤整備が求められ、特定の機能を果たすためだけの画一的な土木施設が多く生み出された。しかし一定の社会基盤が整うにつれ、その場所が持つ意味や役割に合い、風景に調和した土木デザインを求める機運が高まりつつある。
そういった土木デザインが美しい景観を実現するものと信じ、『景観開花。』は誕生した。
一昨年迄の15年に渡る景観開花の歴史を振り返ると、第1回から第10回に至までの10回は未来へつなぐ新時代の土木デザインの提案を求めてきた。また第11回から第15回までの5回は「まち」に潜む問題の顕在化に対し、人々の生活の接点としての「まち」とそれを支える土木構造物へのあり方についての提案を求めてきた。
1年の開催休止を経て、本年度は「土木デザインに関心のある若者へその力を試せる場」、「多くの人々へ向けて土木デザインの可能性を示す」という本イベントの原点に立ち返る。そして、『景観開花。』の誕生以来も技術・システムの進歩、社会情勢の変化によって私たちの暮らし、まちは大きな変化を遂げてきたことを鑑み、激変する社会情勢に合わせた今後の新たな土木デザインのあり方の提案を新たな形を含めた様式で行う土木設計コンペとしてリニューアルする。
リニューアル初回となる本年度は、「Re:ver. Space」と題し、「新しい『都市』生活様式」という観点から都市における「河川」のある景観のあり方を問う。応募者には「新しい『都市』生活様式」で「まち」に起きうる諸問題に対して河川空間のデザインによって景観を創造する事によって挑んでもらいたい。これからの土木デザインが生み出す美しい景観が「新しい『都市』生活様式」の課題解決へとつながるような提案が生まれることを期待している。
「Re:ver. Space」
現在、我々の都市生活は大きなターニングポイントを迎えている。昨今の社会の状況によって私たちが当たり前のように思っていた日常生活の様式が大きく変化しようとしている。密接、密集の流れにあった社会生活のあり方が根幹から揺らごうとしていると言っても過言ではない。これからの新しい生活様式の中では人々の生活は「密」を避けた「疎」を意識した生活へと変化していくだろう。都市への意識も「密」である大都市から「疎」である地方への意識がより高まっていく可能性も十分に考えられる。同様に都市の中や私たちが暮らす生活空間においても「密」から「疎」へと人々の集い方、暮らし方が変化していくことが考えられる。
また労働、コミュニケーション、イベントなどの社会活動におけるリモート化の急速な普及によってこれからの人々の生活拠点の選択肢が豊富となっていくだろう。生活拠点の選択において、社会活動の利便性のために、交通の混雑の問題を抱える場合や居住環境に劣る場合のある大都市を必ずしも選択する必要がなくなったからである。
その結果、大都市だけでなく自身のライフスタイルに合った多様な都市への関心が高まっていくことも期待される。ただし生活拠点として実際に選択されるかは、地方都市がいかに新しい『都市』生活様式における魅力、大都市にない魅力を示せるかにかかっているだろう。
また、河川空間も大きな転換を遂げようとしている。河川空間は都市における良好な景観の創出、豊かな社会生活を送るためのアクティビティ空間の創出、治水・利水機能、多様な動植物の生息環境など幅広い観点で非常に重要な役割を担ってきた。河川は都市においてその土地の象徴的な存在であることが多く、河川の整備がまちづくりの中心的な役割をなす事は少なくない。より快適な河川空間の創出の為に、様々な活動が全国各地の河川にて行われている。特に近年では「河川空間のオープン化」をはじめとする河川空間における多様な利活用が試みられている。
しかしながら、時として河川は私たちに牙を剝く事がある。近年の台風、大雨の激化によって、その被害は甚大なものとなっている。私達の都市生活をより安全なものにするために、土木インフラとしての本来機能である治水・利水機能を適切に確保しなければならない。
これからの土木デザインでは土木インフラとしての機能を十分に備えつつも、より豊かな都市生活を実現することができる河川空間のデザインが求められていると言える。
以上のことから、新しい『都市』生活様式をより豊かなものにするために土木デザインにおいても地方都市における河川空間のあり方を考え、次世代のバージョンの河川空間によって作られる新たな景観をテーマとする。
■審査委員長
篠原 修 (土木設計家、東京大学名誉教授)
■審査委員
岩瀬 諒子 (建築家、京都大学建築学専攻助教、岩瀬諒子設計事務所主宰)
忽那 裕樹 (株式会社E-DESIGN代表取締役、ランドスケープデザイナー、まちづくりプロデューサー)
崎谷 浩一郎 (シビレル・エンジニア、株式会社イー・エー・ユー 代表取締役)
西村 浩 (建築家/クリエイティブディレクター、株式会社ワークヴィジョンズ 代表取締役)
※敬称略/五十音順
■最優秀賞 (1点)
20万円
■優秀賞 (1点)
10万円
■佳作 (数点)
4万円
■特別賞 (数点)
2万円
■参加賞 (全作品)
一次審査会における審査委員からの自作品の講評映像
- 時代を踏まえた新たな「地方都市における河川空間」の理想像の広がり
- 「地方都市における河川空間」の理想像に対する、土木構造物または土木施設を中心とした、ハードに主眼を置いた提案の具体性と現実性
- 提案がテーマに即しているか
- 提案がもたらす新しい『都市』生活様式での体験の豊かさと美しさ
これらを総合的に評価する
- 河川空間中心の提案であること
- 河川空間の利活用に対する、土木構造物または土木施設を中心とした、ハードに主眼を置いた提案であること
- 原則河川法等の諸法令を遵守すること。逸脱する場合はその箇所および理由、実現のための方策等を合わせて明示すること
- テーマに沿う都市を対象として選定し、選定理由と合わせて明示すること
- 実在する敷地を対象として明示すること
- 地質調査や構造計算は求めないが、構造の現実性は確保すること
- 2020年4月1日現在、大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専門学校・高等学校に籍をおく学生、もしくは経験年数5年以下の社会人であること
- 上記条件を満たす人物によるグループでの応募も可とする
- 後述するオンラインでのweb会議ツールを用いて遠隔開催される公開最終審査会に参加できること。一次審査にて入選作品に選ばれた時点で参加を確約できない場合、入選を取り消し次点の繰り上げとする
2020年10月4日(日)
※提出物締切は2020年10月11日(日)
応募にはエントリーが必要です。エントリーフォームよりエントリーして下さい。
以下を提出物および提出条件とする。締切日までに3点すべてを提出したもののみ、審査対象とする。
● パネルデータ
提案の意図を表現する図面および説明文を記載したもの。A1サイズ片面1枚に収まるよう作成し、パネルデータをPDF形式としたもの。Webサービスを介したメールによる送信のみを受理する。なおメールには直接添付しないこと。
● 写真データ(模型写真・CG等)
本年度は一次審査会、最終審査会ともに遠隔開催のため、模型の提出を認めない。そこで、模型に相当する、設計の概観がわかる、JPEG形式の写真データの提出を求める。枚数は1枚以上5枚以下とする。送信方法はパネルデータと同様で、Webサービスを介したメールによる送信のみ受理する。
● プレゼンテーション動画
3分以内の映像による提出作品についてのプレゼンテーション。一次審査において利用する。プレゼンテーションの方法は問わない。ファイル形式はMP4形式とする。送信方法はパネルデータと同様で、Webサービスを介したメールによる送信のみ受理する。
※一次審査は公平を期すため匿名で審査を行うため、すべての提出物に氏名や所属先を明記してはならない。
*詳細は募集要項をご確認ください。
⇒募集要項はこちら
E-mail
⇒ info@keikankaika.jp
※メールの⽂⾯には、エントリーNo.、⽒名、作品名を必ず記載すること。
本年度は、一次審査会、最終審査会ともに、オンラインでのweb会議ツールを用いたweb開催とする。
一次審査会では、パネルデータ・写真データ・プレゼンテーション動画を用い、入賞作品を5点前後決定する。また後日、最終審査会を公開で開催(live配信を予定)し、入賞者は作品のプレゼンテーションと質疑応答を行う。審査員はこれらにより最優秀賞と優秀賞を決定し、それ以外の入賞作品を佳作とする。
■エントリー締切
2020年10月4日(日)
■提出物締切
2020年10月11日(日)
■一次審査会
2020年11月1日(日)
■最終審査会
2020年11月21日(土)
東北大学工学部建築・社会環境工学科 平野研究室
景観開花。実行委員会
〒980-0845 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1
東北大学災害科学国際研究所 S304
災害復興実践学分野 平野研究室
TEL:022-752-2102
E-mail:info@keikankaika.jp