[連載] 建築をもっと知りたくなるRPG型プログラム「けんちくのたね」 Level.12
Level.12
第13回目 『橋を作ってみよう!』その②
「けんちくのたね」は、身近にある紙と道具を使って、実際に手を動かしながら建築の基礎を簡単に楽しく学べる連載漫画です。使用するのは「A4のケント紙」「はさみ」「カッター」「のり」だけ!折る・丸める・切るといった単純な動作でも、創意工夫を凝らすことで、強度が大きく変わったり、デザイン性がUPしたり、驚くほど様々な表現が可能になります。
ここでの皆さんは、建築の世界に飛び込んだ「けんちく勇者」。さぁ、今すぐ材料を装備して、建築をLet’sロールプレイング!みんながあっと驚く建築スキルを磨いていきましょう!
第13回目 『橋を作ってみよう!』その②
1.「橋を作ってみよう」の続きスタート!
今回は、「橋を作ってみよう」その②です。皆さん、橋作りは試行錯誤していますか? ここで、もし私自身がこの課題に挑戦したらどうするか…? をご紹介したいと思います。ひとつの参考例にしてください。
2.三角形を組み合わせてみる!
まずはA4紙を1コマ目の図のように切っていきます。後で付ける折り目とのりしろに目印をつけて(ここで前回のカッターの使い方が役立つ!)、そうすると大×1、小×2の三角形ができます。それをのりでくっつけると…あっという間に図のような橋ができ上がりました。単純なようですが、理にかなっている部分はけっこうあると思います。
3.力の働きを理解しよう!
橋の上を人が渡ると人の荷重が下向きに橋に伝わります。その力は、両対岸に伝わっていきます。この時、橋はたわみ、橋の上では圧縮、下では引張が起こることは、イメージできますか?圧縮がおきているところには、圧縮に強い材料を、引張がおきているところには、引張に強い材料を使うのは基本。まずは、どのあたりが弱いかをイメージできるようになると、強い橋が作れるかな。実際に人が乗るところを想像しながら構造を考えるのは、建築の大切なポイントです。
私はA4 1枚で作りましたが、皆さんは2枚使って、もっとかっこよく、もっと丈夫な橋を作ってください。
4.あなたならどう建築しますか?
この連載で何度も伝えている通り、建築に「正解」はありません。でも、「評価」はされます。これから皆さんは、課題制作ごとに作品を評価される機会に何度も巡り合うでしょう。その際に、必要なのは、相手に「共感」されるだけの「検討・分析」とその自分の分析結果を「形」に落とし込むことです。また、評価者の質問に動揺しないように、自分はこうする!という価値観や判断基準のモノサシを持つことも大切です。
次回はついに最終回です!
今週のお題:「自分のデザインを周りの人に見てもらおう。」
今週のおさらい
建築イベントプランナー 建築家(一級建築士)/1973年島根県生まれ1996年東京電機大学工学部建築科卒業。1998年芝浦工業大学大学院修了。プランツアソシエイツを経て、2002年独立。2005年シェアオフィスFLAT4設立。2015年建築イベント企画会社 株式会社HOOPを設立 「ラ・アトレ学生実施コンペ」「寺子屋ふくろう」シリーズ、「バリアレスシティアワード」等、建築コンペ等の企画に携わる。芝浦工業大学非常勤講師 建築学生サークル♭顧問