【Lab.】関西学院大学 八木康夫研究室 (建築設計・都市空間デザイン)
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お知らせ
2021.4.1 関西学院大学建築学部開設。詳細
2020.4.1 研究室名称を「建築+都市空間デザイン研究室(Architecture & Urban Design Lab)」に改称します。
2020.2.15 地方創生プロジェクト「夏の家・冬の家」プロジェクトスタートしました。詳細
研究室情報
学科名:総合政策学部・大学院総合政策研究科
2021年4月より建築学部建築学科(新設)に所属
分類:建築設計・都市空間デザイン
担当教員:八木康夫[教授]
キャンパス:神戸三田キャンパス
所在地:〒 669-1337
兵庫県三田市学園2-1
HP:http://kg-sps.jp/blogs/yagi/
キーワード
#建築デザイン
#都市空間デザイン
#まちづくり
#地域再生
#持続可能性
プロジェクト情報
<竹田城跡に頼らない観光まちづくり — 地方創生朝来モデルの構築—>
「夏の家・冬の家」プロジェクトスタート
竹田城跡に頼らない観光まちづくりの一貫で、地域創成モデルとして「朝来モデル」の構築に向けての展開の一つとして「夏の家・冬の家」プロジェクトをスタートしました。気軽に住んでみる「半定住」、その場所の季節を楽しんでみる「半定住」などなど、朝来との関係人口増を目的しています。
〈 ロケーション 〉
〈 提案事例 〉
野村晃紀案
東村丈案
石田泰寛案
岩根大生案
<竹田城跡に頼らない観光まちづくり — 地方創生朝来モデルの構築 —(2015-)>
2005年度の朝来市竹田城跡の入城者数はおよそ1万2000人でしたが、2013 年のグーグル CM で「日本のマチュピチュ」と紹介されたことにより、その数が50万人にも達しました。しかし滞在型ではなくスポット型の観光地であり、その恩恵は地元経済に対して少ないものでした。
この背景から学生らしい斬新な発想と専門知識を駆使し「そこにしかないまちの魅力」を発掘するための「竹田城跡にだけ頼らない観光まちづくり」を目指し、学生達と朝来市職員、地域住民、神戸新聞社と連携し、フィールド調査やシンポジウムを開催するなど、活動展開をしている。
2016年3月には県の補助金を活用し竹田地区内の閉園した保育園を改修し、朝来の活動拠点となる「関西学院大学サテライトスタジオ」を開設。設計を研究室で手掛け、工事期間中大学院生は現場監理として毎日通った。同年11月には関西学院大学と朝来市の間で包括連携協力協定が結ばれ、以後、八木研究室では「地方創生朝来モデル」構築を目指し活動展開している。
<GRM5Project — 木造共同住宅のリノベーション設計の提案を行う実践的インターカレッジプロジェクト —(2017-2018)>
阪急電鉄神戸線・武庫之荘駅から徒歩7分、兵庫県尼崎市にある1985年に建てられた木造賃貸アパート「グリーンルーム武庫之荘5号館(GRM5)」。木造住宅2階建・棟割りの賃貸アパートで、関東では「木賃アパート」、関西では「文化住宅」と呼ばれ、1960年代から80年代に都市部の急激な人口増加に対応するため、大量に供給された建物である。こうした古い木造共同住宅のほとんどが老朽化などにより、役割を見直す時期にきているが、当初は解体して立て替える予定であった「グリーンルーム武庫之荘5号館(GRM5)」は、オーナーである大阪建設が解体するよりも大学と協働して面白いリノベーションができないかと考え、一棟まるごとリノベーションの教材として大学へ提供することとなった。
2017年5月にプロジェクトの方針を決定、同年6月にキックオフミーティング、7月に実施案のデザインレビューを行う。12戸あったGRMを2戸1化し、6戸として、既存外部階段は一部撤去し、廊下は住戸のバルコニーとする計画となった。関西学院大学、大阪大学、武庫川女子大学の各大学の学生が2戸ずつ設計し、全15案から各校2案を選出した。学生による基本設計が終了した後、実施設計を平田建築設計、施工を創真建設が担当し、2018年2月に着工し同年6月に竣工。第15回集合住宅再生・団地再生・地域再生学生賞で奨励賞を受賞した。
総合政策学部 都市政策学科(指導教員:八木康夫 教授・原哲也 教授・髙橋彰 助手)
参加学生(16名):足立遥・石田元・上山瑞穂・大岩利佳子・越智加奈恵・金森史佳・黄理琦・酒井悠菜・櫻井達也・高濱和泉・平野栞・西川真央・堀之内信・眞木杏夏・増本かほる・龍本雄大
【NEWS】
総合政策学部都市政策学科の学生らが、第15回「集合住宅再生・団地再生・地域再生学生賞」奨励賞を受賞https://www.kwansei.ac.jp/news/detail/news_20180712_020230.html
<京都建築スクール — 40年後、2050年の都市のカタチを構想する —(2013-2015)>
京都建築スクールは「都市のカタチを構想すること」この趣旨のもと、京都に所在する大学・学校教員の有志を中心に2009年にスタートし、京都のほか、大阪、兵庫から約100名の学生が参加するインターカレッジの都市デザインスタジオである。
現在、高齢化と人口減少の進行、地球温暖化の進行という二つの危機に直面している中、これらの危機に対処するため、都市の再編あるいはコンパクト化が急がれなければならず、もはや建築単体のデザインを競い合う時代は過ぎ去り、都市の未来を構想しなければならない。
「リビングシティを構想せよ」という全体テーマのもと、40年後、2050年の都市のカタチの構想を課題とし2013年~2015年の3年度にわたって、商業・居住・公共の三つの基本的都市機能に一つずつ取り組み、都市への多角的なアプローチに取り組んでいった。
〈交換〉は都市を都市たらしめる本質的な機能のひとつである。その典型が〈商業〉であり、空間的には〈市場〉といえる。市場は線状に伸張し商店街=〈線〉を形成し、繁華街=〈面〉へと発展してきた。しかし今日、多くの商店街が衰退している。そこで〈商業〉を広く〈交換〉と捉え、生き生きとした商業の場を提案した。
〈居住〉は20 世紀の近代都市では機能分化が進められ、ビジネスセンター、商業センターなど人が住まない地域が生み出される一方で、家だけが建ちならぶ住宅街が形成されてきた。しかし高齢化人口減少時代に入り、空き家、空き室が増え、地域の活力が失われつつある。はたして2050 年、人々はどのように暮らしているだろうか。居住のための「都市のカタチ」を提案した。
都市のパブリックな空間というとすぐに広場が思い浮かぶが、日本の都市計画法には「広場」の規定はほとんどなく、かろうじて「交通広場」が規定されているくらいである。交通広場の代表的なものに駅前広場があるが、それは大量の人の流れをさばくための場所であって、待ち合わせなどの一時的な滞留しか認められていない。しかるに、日本の都市は広場をつくってこなかった。公共と民間が融合しつつある現在、多様な〈公共の場〉がありえる。都市における公共とはいったい何なのか。この根本的な問いを考えつつ、新しい公共の場を提案した。
八木康夫[教授]
大阪大学大学院工学研究科建築工学専攻博士後期課程単位取得修了。
立命館大学理工学部准教授を経て、2010年より関西学院大学総合政策学部都市政策学科教授。
専門:建築意匠
関学建築では「工学」と「芸術」をプラットフォームに、人・もの・場所の関係を読み取り、建築と社会の回路をひらく“マネジメント”についても学びます。新しい「関学建築(KGSA)」の学びを期待してください。
住宅建築 No.471(2018年10月号)研究室からフィールドへ第36回
『GRM5 Renovation Project――兵庫県尼崎市武庫之荘』
関西学院大学/大阪大学/武庫川女子大学