【11/3-1/3 @高知】隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則

隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則

概要

東京オリンピック・パラリンピック2020のメイン会場に予定される《国立競技場》の設計に参画するなど、現代日本を代表する建築家のひとり、隈研吾(1954-)の大規模な個展を開催します。

その土地の環境や文化に溶け込むように設計される彼の建築には、自ずと多くの人が訪れ時を過ごすことになります。2018年にスコットランドに開館した《V&Aダンディー》は、米TIME誌により「2019年、世界で訪れるべき最も素晴らしい場所100選」のひとつに選ばれました。

本展は隈建築の中から公共性の高いものを中心に30件を選び、全点に隈自身による作品解説をつけて紹介します。公共性といっても、新築の庁舎のような大きな公共建築だけでなく、リノベーションによる居酒屋のような小さな建築も含んでいるのがポイントです。それらが「孔」「粒子」「ななめ」「やわらかい」「時間」という隈が考える5原則によって分類された上で、模型や写真やモックアップによって紹介されます。また、瀧本幹也、藤井光、津田道子、マクローリン兄弟など第一線で活躍するアーティストに映像作品をコミッションし、隈建築を、造形性だけでなく、どのように使われているか、いかに街と関係を結んでいるかといった観点から見ていただく空間を用意しました。内部空間をリアルに体感できる360度VRもあります。

さらに、ネコの視点から都市を見直すリサーチプロジェクト《東京計画2020 ネコちゃん建築の5656原則》も発表されます。今の時代、都市についてなにかを提案するとしたら高度経済成長期のように都市を上から見るのではなくて下から見るべきである、そう考えた隈が着目したのは、なんと動物のネコでした。本展では、Takramとの協働により神楽坂でのフィールドワークやGPS測定を実施し、そのリサーチの成果を、3DCGやプロジェクションマッピングを用いて展示いたします。

コロナ禍というきわめて難しい時代の中で開催される本展が、新しい公共性や未来の都市のあり方について考える機会となれば幸いです。
 
 
*上記画像:雲の上の図書館 / YURURIゆすはら 2018 ©Kawasumi・Kobayashi Kenji Photograph Office

お知らせ

本展は新型コロナウイルス感染拡大防止のための取り組みを行っております。混雑緩和のため予約サイトにてご予約の上、ご来館下さい。
ご予約無しの場合は当日受付となります。ご予約の方を優先しますので、混雑時は入場をお待ち頂く場合があります。

チケット予約サイトはこちら

会期

2020年11月3日(火)~2021年1月3日(日)

※休館:12月27日(日)~1月1日(金)

開館時間

9:00-17:00(入場は16:30まで)

会場

高知県立美術館
(高知県高知市高須353-2) ⇒アクセス

観覧料

一般 1,300円(1,100円)、高校生・大学生 800円(600円)、小学生・中学生500円(300円)

※( )内は前売り及び20名以上の団体割引料金
※未就学児童は無料
※年間観覧券所持者は当日料金の半額
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、及び被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)、高知県及び高知市の長寿手帳所持者は1,000円
※第3展示室のみ無料でご覧になれます。

見どころ

1. 「人が集まる場所」のための隈独自の方法論を、5原則の形で抽出
本展では、隈自身が選んだ公共性が高い建築30件を、時系列ではなく、「孔」「粒子」「ななめ」「やわらかい」「時間」という5原則に分類して紹介します。

2. 先端技術を用いた体験展示
隈たちが設計した建築の「実際」を、本展のために制作された新作映像を通して紹介します。
♦ 梼原にある6つの隈建築×瀧本幹也(+坂本龍一)
高知県梼原町には隈建築が初期から現在まで6つもあります。これを写真家・映像作家の瀧本幹也がハイスピードカメラを用いて撮影。リアル 4Kによる映像インスタレーションへと昇華させました。坂本龍一の音楽とともに、環境に溶け込む隈建築の造形美をご堪能あれ。
♦ スコットランドにできた新しい美術館×タイムラプス映像
ヴィクトリア&アルバート美術館にとって初の分館となる《V&A ダンディー》の設計者に選ばれたのが隈研吾でした。これを、アイルランドのマクローリン兄弟によるアヴァンギャルドなタイムラプス映像で紹介します。
♦ 富山市民に人気の図書館・美術館・銀行の複合施設×360度 VR
《TOYAMA キラリ》の特長は斜めにたちあがる吹き抜け空間。そこにドローンを飛ばして360度 VRで撮影しました。実際には立てない視点から見えてくる隈建築の魅力とは!?

3. 各地の市民に協力してもらった映像作品も
気鋭のアーティスト、藤井光が市民ボランティアや NPO の協力を得て《アオーレ長岡》の日常を撮影。
また津田道子が南三陸と熊本で、施主や利用者のインタビューを撮影しました。

4. クマは思う、都市の未来はネコに学べ、と
丹下健三が前回の東京オリンピック前の1961年に発表した《東京計画 1960》への応答として、隈が今回Takramとともに作成した《東京計画 2020》の「2020」は、「にゃんにゃん」と読みます。

5. 国立競技場のスタディ模型と照明を特別にお見せします。
選手や関係者以外はまず見ることができないエリアにある大型の提灯のような照明も隈によるデザイン、これを本展では特別に公開します。また設計のプロセスにおいて大量につくられたスタディ模型の中から、約40点を厳選して展示します(展覧会としては世界初公開!)。

6. もちろん展示デザインは隈研吾建築都市設計事務所が担当します。

7. 日本博事業の一環として「くまてん」
日本博主催・共催型プロジェクトの一環として制作された《東京計画2020》、360度VR、インタビュー映像を会場でご覧いただけます!

主催

隈研吾展高知実行委員会
東京国立近代美術館
文化庁
独立行政法人日本芸術文化振興会

後援

高知県、高知市、高知県教育委員会、高知市教育委員会、高知新聞社、KCB 高知ケーブルテレビ、エフエム高知、高知シティ FM

お問合せ

高知県立美術館
(高知県高知市高須353-2)
TEL:088-866-8000 / FAX:088-866-8008
URL:https://moak.jp/

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