[連載][修士・院生を追え!]#6 模型作成
2月某日
トウコレ作品提出まで2週間を切り、模型製作も佳境に差し掛かったとある日、私たちは豊栄氏を訪ねた。
私たちがお邪魔した日は模型製作のお手伝いさんが3名。これはいつもの光景で、最大は4名のお手伝いさんに囲まれて制作をしているそう。ちなみに取材時にいた3名のお手伝いさんは豊栄氏のInstagramにて募集を募り集まった精鋭部隊。『先輩の模型のお手伝いは自身の今後の経験に活かすことが出来るから、こちらも勉強になります』とだというお手伝いさん(豊栄氏のゼミの後輩)。文系学生の筆者は『先輩の模型製作を手伝う/先輩の卒業制作を手伝う』という慣習がなかったため、この光景は非常に新鮮に映る。
──お久しぶりです!卒業設計の進み具合はいかがでしょうか?
豊栄氏:お久しぶりです!材料を揃えてから、早速模型の部品を切り出すレーザーカッターの作業をしまして、今はもうだいぶ形になってきてます!
レーザーカッター当日の豊栄氏。繊細な作業…。
──わ!本当ですね!最初に見せていただいたスタディが立派に形になってる…感動しちゃいますね…。
豊栄氏:着実に完成に近づいてきてます(笑)
──あ!この小さい台車可愛いですね!小さいのにちゃんとなんの道具なのかが分かってすごい…さすがです。
そういえば買い出しの時軽トラをご自身で作るって仰ってましたよね!そちらはこれからですか?
豊栄氏:ありがとうございます(笑)ちゃちゃっと作れるんですけど 意外とそれなりに見えていい感じかなって思ってます。軽トラはこれからですね。
あとここの模型部分なんですけど…
ここは塩を作る工程を間近に見ることが出来る施設になる予定。仕上がりは次回のお楽しみ…。
以前買い出しにお供させていただいてから早1か月。その間でここまで仕上がったことに一同感動。豊栄氏の模型製作は構想の段階から追っているが、構想が形になり、作品になる。
それが今後多くの方に見ていただく機会を控えていると考えると、修士生の設計はこれまでのすべての情熱が詰まっているようでこちらもつい沢山の質問を投げかけてしまう。
──ここは何の施設になるんでしたっけ?
豊栄氏:ここは『温泉施設』になります。今出来ている部分は地下で、温泉を貯めておく貯水タンクなど温泉施設の設備が備わっている場所ですね。
──あ!なるほど!以前温泉施設のお話をされてましたもんね!『塩サウナ』とか(笑)
豊栄氏:そうですね(笑)塩の効果のある温泉も引けると思います。ちなみにここが1階で、(施設を)利用する人が快適に過ごせるよう、天井とか広さにこだわって設計しています!
──おお~!確かに温泉施設って天井が高いイメージがありますよね!その方が開放感もあるし…。
豊栄氏:ここの設計は教授と相談して『人が快適に過ごせるスペースが必要なんじゃない?』ってアドバイスを頂いて、1日で修正しました(笑)
──1日で!?うわぁ…それは大変でしたね…。
豊栄氏:大変ではあったんですけど、まあ何とかなりましたね!今も一応未完成ではあるんですけど、完成として提出することもできます(笑)
──え!すごい(笑)現時点でもかなり完成度が高いですし、これは確かにこのまま完成としてもいいくらいですね。
現時点でも完成度の高い豊栄氏の模型。ここから提出期間ぎりぎりまで粘り、手を加えていくそう。前回レーザーカッターを使った制作のお話をお伺いした時期は、学部の卒業制作が終了したばかりで、ようやく修士生も作業室をメインで使えるようになった時期だったこともありかなり混雑していた。その影響もあり、お手伝いさんも最少人数だったそう。修士生の卒業設計も大詰めの時期に差し掛かった現在、一気に制作がスピードアップしたことが、豊栄氏のお話から伺える。
──ちなみに、現段階での(模型の)お気に入りポイントってどこですか?
豊栄氏:ここですね!!!
寸分の狂いなく丁寧に作りこまれた模型の一部分。
──おお!向こうまで見通せて綺麗ですね…これは間違いなくお気に入りになりますね!
豊栄氏:そうなんです!我ながら綺麗に出来たなと思ってます(笑) 柱の影になっているところもいい味になっている気がします!
トウコレと学内発表を間近に控えた今、豊栄氏の模型へ取り組む姿勢は、一切の妥協を許さず、日々着実に完成へと近づいている。
豊栄氏の構想が形になり、今後さらなる結果を生み出すことに期待したい。
つづく
今回の担当記者T 元文系学生/卒論のテーマは「美術館来場者の楽しみ方の変容」
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