[連載] 建築をもっと知りたくなるRPG型プログラム「けんちくのたね」 Level.05

[連載] 建築をもっと知りたくなるRPG型プログラム「けんちくのたね」
Level.05
第6回目 『歴史の長い建築技術「組積造」って?』

「けんちくのたね」は、身近にある紙と道具を使って、実際に手を動かしながら建築の基礎を簡単に楽しく学べる連載漫画です。使用するのは「A4のケント紙」「はさみ」「カッター」「のり」だけ!折る・丸める・切るといった単純な動作でも、創意工夫を凝らすことで、強度が大きく変わったり、デザイン性がUPしたり、驚くほど様々な表現が可能になります。
ここでの皆さんは、建築の世界に飛び込んだ「けんちく勇者」。さぁ、今すぐ材料を装備して、建築をLet’sロールプレイング!みんながあっと驚く建築スキルを磨いていきましょう!

『歴史の長い建築技術「組積造」って?』

1.「折る」「切る」「丸める」もせずに、紙を自立させるには?

これまで、いくつかのやり方で紙を自立させる方法を考えてきました。普段の生活では気にも留めていなかったけど、世の中にあふれる様々なモノには先人の知恵がたくさん使われていることもわかりました。では、紙を自立させる方法…まだ他に思いつきますか?

 
 

2.深く考えないで!こうなったらいっそ…

「えー、そんなこと言われたってこれ以上は無理!思いつかないよ!」難しい問題にむしゃくしゃした?そんな時は紙をくしゃくしゃに丸めてゴミ箱へ…ん?ちょっと待って!ぐちゃぐちゃにした紙って自立していない?
そう、これもひとつの正解です。

 
 

3.「積む」に辿りついた人はいるかな?

ここまできたら固定概念は捨てないと出てこないかもしれません。
こうなったらいっそ紙を増やしてしまいましょう。
一枚重ねて、また一枚…どんどん高さをだして「積む」のもアリです!

 
 

4.「積む」は昔から使われている建築技術

「積む」という方法は単純ながら、建築の世界では現在でもよく使われています。これを「組積造」というのですが、その長い歴史と奥深さから、完成された建築技術のひとつだといえるでしょう。
南イタリアのアルベロベッロにあるトゥルッリという建物群は、組積の屋根がとても特徴的で素晴らしい建築美を携えています。世界の組積造を色々探してみるとなかなか面白いですよ!
次回は自立させた紙の「強度」を上げることに着目してみましょう。

 
 

今週のお題:「世界中にある組積造の建物を探して、お気に入りを見つけよう!」

著者紹介
本多健(Takeshi Honda)
建築イベントプランナー 建築家(一級建築士)/1973年島根県生まれ1996年東京電機大学工学部建築科卒業。1998年芝浦工業大学大学院修了。プランツアソシエイツを経て、2002年独立。2005年シェアオフィスFLAT4設立。2015年建築イベント企画会社 株式会社HOOPを設立 「ラ・アトレ学生実施コンペ」「寺子屋ふくろう」シリーズ、「バリアレスシティアワード」等、建築コンペ等の企画に携わる。芝浦工業大学非常勤講師 建築学生サークル♭顧問

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