[連載] 建築をもっと知りたくなるRPG型プログラム「けんちくのたね」 Level.09

[連載] 建築をもっと知りたくなるRPG型プログラム「けんちくのたね」
Level.09
第10回目 屋根を作ってみよう!

「けんちくのたね」は、身近にある紙と道具を使って、実際に手を動かしながら建築の基礎を簡単に楽しく学べる連載漫画です。使用するのは「A4のケント紙」「はさみ」「カッター」「のり」だけ!折る・丸める・切るといった単純な動作でも、創意工夫を凝らすことで、強度が大きく変わったり、デザイン性がUPしたり、驚くほど様々な表現が可能になります。
ここでの皆さんは、建築の世界に飛び込んだ「けんちく勇者」。さぁ、今すぐ材料を装備して、建築をLet’sロールプレイング!みんながあっと驚く建築スキルを磨いていきましょう!

1.屋根作りにチャレンジ!


 
『10㎝×10㎝×10㎝のスペースに屋根をかけてみましょう』これが今回の問題。使用するのは今回もA4紙1枚です。もちろん今まで同様に自由な発想で構いません。将来、実際にこのような仕事を任される機会があるかもしれません。その時、あなたは何を基準に考えますか?

2.屋根に「アーチ型」を採用してみると


例えば図のような形はいかがでしょうか?単純な構造ではありますが、時間や手間などの効率性を考えるとアーチ型は屋根に向いていると言えるでしょう。けれど強度が少し心配でもあります。そんな場合、他にはどんな型が考えられるでしょうか?

比べた数が案の重み!もっといいものはないのか?もっと、もっとは大切です!答えは一つではないのですが、実際にその土地に作れる建築は一つなのですから。

3.強度を優先させた屋根は


一つ、例を出します。強度のある屋根を作るには、まずA・B同じ型を用意して、両方に切り込みを入れます。それを図のように組み合わせてみてください。この連載のLevel06で学んだ複数の素材を「折る」「組む」技術を使うことで、強度が一気に増します。そうそう、「三角形は強い」でしたよね!

4.モノサシを意識しながら建築を考える


今回は強度を優先させた一例をご紹介してみました。実際の現場でも大切な観点です。建築においては施工性・経済性・効率なども考えなければいけません。

しかしせっかく建築家になるなら、そこに「誰も見たことのない構造」や「地球環境保護」の観点など、独自の基準も落とし込んでみたいですよね。単純にかっこいいから!なんていうのも大いにアリです。自分の基準になる「モノサシ」を常に意識してみる。それが答えのない建築の面白さかもしれません。

次回はいよいよ『橋を作ってみよう!その①』です。

 
 

今週のお題:「さらに強度のある、もしくは「カッコいい」屋根を作ってみよう」

著者紹介
本多健(Takeshi Honda)
建築イベントプランナー 建築家(一級建築士)/1973年島根県生まれ1996年東京電機大学工学部建築科卒業。1998年芝浦工業大学大学院修了。プランツアソシエイツを経て、2002年独立。2005年シェアオフィスFLAT4設立。2015年建築イベント企画会社 株式会社HOOPを設立 「ラ・アトレ学生実施コンペ」「寺子屋ふくろう」シリーズ、「バリアレスシティアワード」等、建築コンペ等の企画に携わる。芝浦工業大学非常勤講師 建築学生サークル♭顧問

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